2002 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性流体の不安定流動発生に及ぼす第2、第3法線応力差の影響の解明
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13650170
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 勉 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20216732)
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Keywords | 粘弾性流体 / 不安定流動 / 流動複屈折 / 法線応力差 / 界面活性剤水溶液 |
Research Abstract |
本研究では現実的で重要性の高い二次元ポアゾイユ流れおよび同心二重円筒型流路内クエット流れに対して2光線傾斜測定技術を適用し、流動により発生する3つの法線応力差に対する同時測定を行い、不安定流動発生前後においてこれらがどのように変化するかを定量的に解明することを目的とした。実験に使用する粘弾性流体として、紐状のミセルを形成する界面活性剤CTAB(Cetyltrimethylammonium bromide)水溶液を用いることとした。対イオンとしてNaSal(Sodium salicylate)を添加する。CTABとNaSalをそれぞれ0.23mol/l、0.03mol/lをイオン交換水に溶かした溶液を作成した。この溶液の流動特性はひずみ制御型レオゴニオメータにより測定され、低せん断速度領域においては単分散高分子溶液と非常によく似たMaxwell型の線形粘弾性を示すことを確認した。さらに,この試料が流動開始からのひずみ量とずり速度の両者のかねあいにより構造変化を生じ,その後不安定流動に遷移していくことを同心二重円筒型流路内のクエット流れより明らかにした.さらに、二次元ポアゾイユ流れを発生させるためのガラス製平行平板型流路を設計,製作した.この流路はガラス板の隙間を適宜変更可能で,異なる二つの方向から流動複屈折を測定できるように設計した.現在、流路の機械加工部品は製作が完了し、装置全体も組あがっている。また,複屈折測定部に関しては光変調装置の設計・製作、およびデータ収集ソフトウェアの製作が終了し、予定通りの性能を得ている。これらを組み合わせた実験については予備的な実験を行った.現在,詳細なデータの収集及び結果の解析を行っている.
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