2002 Fiscal Year Annual Research Report
曲げ振動発生時の管内多孔板と流体の相互作用に関する研究
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13650197
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐野 勝志 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (80226042)
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Keywords | 流体関連振動 / 自励振動 / ロックイン現象 / 固有振動数 / 多孔板 / 曲げ振動 / 渦放出 / 相互作用 |
Research Abstract |
内径50mmの黄銅管の途中に多孔板を組み込み,周囲と絶縁された管壁の一部を圧電アクチュエータで加振することで管内の液柱に振動を与え,そのとき生じる変動圧力を管に沿って測定した.この際,加振振動数をロックイン振動数とほぼ等しい2087.5Hz,2587.5Hz,2987.5Hzおよび3212.5Hzの4とおりに変えた.また多孔板の孔部を並列管路として見なしてこれを等価な単一管路に置き換え,伝達マトリックス法により液柱の固有振動数と固有モードを求めた.これらの結果を,昨年度に測定したロックイン発生時の管内変動圧力モードと比較した.実験に用いた多孔板は黄銅製で,板厚3.0mm,孔径3.0mm,孔数30である.以上により,次の事柄を明らかにした. (1)ロックインが生じる振動数域には2087.5Hz(4次),2587.5Hz(5次)および3112.5Hz(6次)の3つの液柱固有振動数が存在する.このうち2087.5Hzと2587.5Hzの固有振動モードは,ロックイン時および液柱加振時の変動圧力モードとよく一致する. (2)2987.5Hzと3212.5Hzはいずれも液柱固有振動数と異なる.2987.5Hzの場合,多孔板の下流側で液柱加振したときの変動圧力モードがロックイン時のそれとよく一致し,多孔板の直後で変動圧力は定在波の腹に近い.また3212.5Hzでは多孔板の上流側で液柱加振したときの変動圧力モードがロックイン時のそれとよく一致し,多孔板の直前で変動圧力は定在波の腹に近い. (3)多孔板を取り付けるフランジの締結用ボルト4本すべてをゆるめると,液柱加振時の変動圧力モードは著しく変化し,水が流動状態にあってもロックイン現象は全く生じない. (4)以上より渦の放出振動数が液柱固有振動数と一致したり,多孔板の直前または直後が圧力定在波の腹に近くなるなどして板前後の変動圧力差が大きくなってある限界値を超えると板に曲げ振動が生じ,これが新たな脈動源になることでロックイン現象が引き起こされると考えられる.
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Research Products
(1 results)