2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650199
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
関 眞佐子 関西大学, 工学部, 助教授 (80150225)
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Keywords | 血液流れ / 赤血球 / 白血球 / 数値シミュレーション / 高密度流れ |
Research Abstract |
毛細血管内で白血球の背後に赤血球の高密度の列ができることが観察されており、この現象が血管抵抗上昇に大きく関与している可能性が指摘されている。本年度の研究では、微小血管内における赤血球の高密度の流れに着目し、流れの特徴および血管抵抗に与える影響を数値シミュレーションにより解析した。白血球背後の高密度な赤血球流れに関して、次のようなモデルを用いた。毛細血管内で赤血球が高密度になるのは、白血球が赤血球に比べサイズが大きく変形しにくいため、微小血管内での速度が赤血球より遅いことに起因している。一個の白血球が毛細血管に入ると、その速度は前後の赤血球より小さいので、白血球の後方から赤血球が次々に追いついてきて連なる。追いついてきた赤血球は,白血球に近づくと減速して血管中心軸からずれて血管壁近くに押しやられて、ちょうどジッパーのように血管中心軸に対して2列に並んだ高密度の列ができる。これに対応したモデルとして、微小血管内の白血球背後に赤血球の2列流れを考えて、流れ場を数値解析し、その上・下流間の圧力損失を血管径、赤血球の動径位置、赤血球間距離の関数として求めた。解析の結果、赤血球の2列流れの圧力損失は、赤血球の1列流れに比べ格段に大きく、赤血球が血管壁に近い位置にある程、そして赤血球間距離が短い程、その増加の程度は大きくなった。また、毛細血管内における白血球自体の圧力損失より、赤血球高密度の流れによる圧力損失の方が大きいことも示された。このことは、実験結果との比較によって確認された。また、血管壁表面に存在する高分子層の影響も調べ、この存在により、白血球が血液流れから受ける応力が大きくなることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 関 眞佐子: "微小血管内の血液流れ"日本混相流学会誌「混相流」. 16. 120-129 (2002)
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[Publications] 関 眞佐子: "微小血管内の白血球運動-浮遊白血球表面の応力分布"日本機械学会講演論文集. 024-1. 15-27 (2002)
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[Publications] 関 眞佐子: "浮遊白血球表面の応力分布の解析"第25回バイオレオロジー学会年会抄録集. 55 (2002)
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[Publications] 関 眞佐子: "内皮細胞間隙の流れのモデル"日本流体力学会年会2002講演論文集. 304-305 (2002)
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[Publications] Masako Sugihara-Seki: "Stress distribution on a leukocyte flowing through a non-uniform microvessel with an endothelial surface layer"Abstracts of The 4th World Congress of Biomechanics. (CD). (2002)
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[Publications] 関 眞佐子: "高分子を含む細孔の物質透過性のモデル解析"日本物理学会講演概要集第2分冊. 214 (2002)