2003 Fiscal Year Annual Research Report
非定常噴霧の渦構造・蒸発過程の解明とその火炎の化学反応論的解析
Project/Area Number |
13650237
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Research Institution | DOSHISHA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤本 元 同志社大学, 工学部, 教授 (90051630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 二郎 同志社大学, 工学部, 教授 (30226691)
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Keywords | 非定常噴霧火炎 / 素反応 / 化学種濃度 / 熱分解 / 多環芳香族 |
Research Abstract |
非定常噴霧火炎の特徴はすすの発生であるが,その発生機構を科学反応論的に取扱うことは重要である. 本年度は,この取扱いを次の手法によって行った. 1.非定常噴霧燃焼による火炎の情況は従来のモデルを用いる. 2.従来提案されている多環芳香族(PAH)の成長モデルを用い四環までのPAHを計算する. 3.素反応計算にはCHEMKIN-IIIを使用する. 4.化学種濃度プロフィール計算ではSENKINを用いる. 5.温度プロフィールはバーナーによる定常火炎の実験結果を与える. 6.初期温度は900[K],初期圧力は8.3[MPa],当量比は4.0とし,雰囲気が空気の場合の定圧燃焼とする. 7.圧縮着火機関の参照燃料はセタン値56のn-ヘプタンとし,含酸素燃料の場合と比較する. 以上の手法により,次の主な結果が得られた. (a)n-ヘプタンの消費過程,低級不飽和炭化水素への熱分解過程,芳香族系炭化水素への成長反応過程,主要反応生成物の生成・消費過程の時系列計算が可能である. (b)含酸素燃料とn-ヘプタンでは,後者は前者に比べて低級不飽和炭化水素が50[%]以上減少する. (c)これに伴ってPAHの減少が著しい. (d)含酸素燃料はその分子構造によってPAHの生成量が異なる.
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[Publications] 北村高明, 伊藤貴之, 千田二郎, 藤本 元: "含酸素燃料のすす生成抑制効果に関する化学反応論的解析(第3報)"自動車技術会論文集. 34巻,1号. 33-38 (2003)
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[Publications] 北村高明, 伊藤貴之, 千田二郎, 藤本 元: "含酸素燃料のすす生成抑制効果に関する化学反応論的解析(第4報)"自動車技術会論文集. 34巻,1号. 39-45 (2003)
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[Publications] Ito, T., Kitamura, T., Senda, J., Fujimoto, H., et al.: "Effects of Flame Lift-off and Flame Temperature on Soot Formation in Oxygenated Fuel Sprays"SAE Technical Paper. 2003-01-0073. 1-12 (2003)
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[Publications] Kitamura, T., Ito, T., Senda, J., Fujimoto, H., et al.: "Soot Kinetic Modeling and Empirical Validation on Smokeless Diesel Combustion with Oxygenated Fuels"SAE Technical Paper = JSAE Technical Paper. 2003-01-1789 20030082. 1-12 (2003)
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[Publications] Kawano, D., Senda, J., Fujimoto, H., et al.: "Numerical Simulation on Multicomponent Fuel Spray"SAE Technical Paper = JSAE Technical Paper. 2003-01-1838 20030093. 1-13 (2003)
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[Publications] 川野, 島田, 畦地, 千田, 藤本: "低エミッション・燃焼制御のための燃料設計コンセプト(第3報)"自動車技術会論文集. 34巻,4号. 107-112 (2003)