2001 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロフルイディックス分野における流れの可視化法の構築
Project/Area Number |
13650240
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
柴田 裕一 茨城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (70178911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押久保 武 茨城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80123983)
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Keywords | マイクロフルイディックス / 流れの可視化 / 気液二相流 / 混合実験 / キャピラリー |
Research Abstract |
本年度は、科研費申請の初年度(2年計画)で流路の作成や可視化の基礎実験を行った。流路の作成では、エッチングやワイヤーカット法などで流路を作成した。流路作成にはジュラルミンおよびアルミの板に溝を彫った単管タイプおよび複合流路さらにはガラスのチューブを加工した流路を用いて実験を行った。可視化の実験では、科研費で購入したマイクロシリンジポンプを用いて管内に液体や気体を注入して、その流れの様子を観察した。流れの観察では、科研費で購入したズームレンズを用いて、最大1000倍まで拡大して流れの可視化を行った。単管では、主にキャピラリーの実験を行い、従来の結果と比較した。その結果、従来報告されている現象と同じような結果を得てこの方法の信頼性を確認できた。複合流路についてはY型、T型の流路を作成して検討を行った。その流路を基に可視化の実験を行ったが、流路からの液体漏れや光の屈折などの諸問題が生じた。これらの問題については、現在検討中であり今後の課題でもある。また、石英ガラスで作成したT型流路については、気液二相流の実験を行った。気体と液体の界面を鮮明に捉えることができ良好な可視化画像を得ることができた。さらにその画像をパソコンに取り込み諸特性を調べた。この方法で、画像解析ができることを実証することができた。しかしながら、液体が気泡により分離する現象は非常に高速で生じるため現在のCCDカメラでは捉えることができなかった。来年度購入予定の高速度ビデオカメラを用いれば可視化することが可能であると考えている。さらにY字型の管においては、流れの混合実験を行った。Y字型の片方から蒸留水を流し、他方から染料を含んだ蒸留水を流してY字の結合部分での可視化を行った。その結果、流速が遅い範囲では二層状態が維持され染料の混合現象は観察されなかった。この結果は、界面での混合が活性化するという報告と異なるものであった。さらに、来年度は詳細な実験を行い混合現象の解明に望みたい。
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