2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマノイド・ロボットの周波数ハイブリッドコンプライアンスの設計に関する研究
Project/Area Number |
13650246
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 仁彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (20159073)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 昌史 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (60323523)
|
Keywords | コンプライアンス制御 / H_∞制御 / ヒューマノイドロボット / アクティブコンプライアンス / パッシブコンプライアンス / 力学的技量 / モーションプランニング / システム同定 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ヒューマノイドロボットのコンプライアンス制御の手法として,アクティブとパッシブなコンプライアンスの役割分担を周波数領域で行うハイブリッドコンプライアンスの設計法を与えることにある.制御を行いやすい低周波数帯域ではアクティブコンプライアンスを用い,衝突などの早い応答が要求される高周波数帯域ではパッシブコンプライアンスの機能を用いる.ここでは,役割分担をH_∞制御理論を用いて行った.この制御理論は閉ループ系の特性を周波数帯域で整形するもので,ハイブリッドコンプライアンスの設計に有用な理論である.さらに,H_∞制御理論はH_∞ノルムの上限を与える設計となっており,これを利用してコンプライアンス特性の上限と下限を与え,この制約条件のもとでロバストなコントローラを設計する手法を提案している. 平成13年度は,肩部にパッシブコンプライアンス特性を持つ上半身型ヒューマノイドロボットを用いて,手先のハイブリッドコンプライアンスを実現した.システム同定理論を用いたモデリングにより,パッシブコンプライアンスだけでは困難な硬さ,柔らかさを実現し,希望の特性を満たすロバストなコントローラを設計している. さらに,この手法の応用に力学的技量がある.力学的技量とは身体の力学特性を生かして運動を行うことと定義し,パッシブコンプライアンスにポテンシャルェネルギーを蓄積し,これを一気に開放することで大きなエネルギーを得る行動が代表的なものとして考えられる.この力学的技量では(1)パッシブコンプライアンスの設計,(2)制御アルゴリズムの設計,(3)運動パターンの設計があり,ハイブリッドコンプライアンスは上記(1)と(2)の役割を果たす.平成13年度は,素振り動作の設計アルゴリズムを提案し,上半身型ヒューマノイドロボットによって,エネルギーの蓄積と開放を行う運動パターンの設計アルゴリズムを提案した.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 岡田昌史, 中村仁彦, 星野慎一郎: "周波数特性の上限・下限を与えるハイブリッドコンプライアンスH∞設計法"日本ロボット学会誌. Vol.19, No.8. 974-982 (2001)
-
[Publications] Masafumi OKADA, Yoshihiko NAKAMURA, Shigeki BAN: "Design of Programmable Passive Compliance for Humanoid Shoulder- Towards Skill of Compliance of Humanoid Robots"Lecture Notes in Control and Information Sciences, D.Rus and S. Singh (Eds.), Experimental Robotics VII, Springer. 31-40 (2001)
-
[Publications] 伴 茂樹, 岡田昌史, 中村仁彦: "エネルギーの蓄積・開放を伴う力学的技量の実現"第19回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 3125 (2001)
-
[Publications] 伴 茂樹, 岡田昌史, 中村仁彦: "ヒューマノイドの力学的技量:エネルギの蓄積/放出の制御"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'01. 2P1-G6 (2001)