2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650259
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
江上 正 神奈川大学, 工学部, 教授 (40201363)
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Keywords | 経路制御 / 予見制御 / 座標変換 / 伸縮座標変換 / NCフライス盤 / 二輪移動ロボット |
Research Abstract |
本研究では経路制御の本質について吟味し、1軸に関する制御とは異なった観点から、目標経路の予見情報を適切に用いた多軸経路制御システムの理論を構築し、これを実システムに適用して有効性を確認することを行ってきた。汎用的に多軸経路制御に有効な予見経路制御に対する理論を構築しようとする本研究は、制御工学の中でも従来の1軸サーボ系の枠組みとは異なった新しい分野に位置づけられると思われる。 本年度はこの多軸予見経路制御に関してすでに提案しているベクトル分解経路制御について、実システムへの応用を中心として、実験による検討や3次元任意曲線経路への拡張についての理論的検討を行った。 実験については、一つめは3軸の卓上型NCフライス盤を改造して、既存のNCコントローラとパソコンによるコントローラを切り替え可能な構成とした。これにより、ベクトル分解経路制御を用いてNCフライス盤を制御することが可能になり、既存のNCコントローラを用いた場合との制御性能の比較検討が可能になった。最初はx-y平面の経路応答を比較し、ついで実際に切削を行った場合の比較を行った。この結果、ベクトル分解経路制御によると、とくに移動方向の変化時において摺動面の摩擦の影響による経路誤差を小さくする効果が確かめられた。しかし、接線速度の変動は大きくなり、現在この点の改良を目指した実験を行っている。 二つめは超音波モータを用いて非ホロノミック拘束を受ける二輪移動車両を試作し、これに対して任意経路を追従させる実験を行った。理論としては、ベクトル分解経路制御で用いている回転座標変換、伸縮座標変換とすでに提案されている時間軸状態制御形を用いた手法で行った。この結果、任意経路目標値に対しても少ない経路誤差での追従が可能になることを確認した。 さらに二輪移動車両の発展としての自動走行車椅子やx-yテーブルを用いた力覚提示装置などへの応用の準備も行っている。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 佐藤匡, 江上正, 土谷武士: "予見フィードフォワード補償を用いたディジタルスライディングモードサーボシステム"電気学会論文誌C. 23・8. 1439-1448 (2003)
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[Publications] 江上正, 円谷佳寛: "伸縮座標変換を用いたベクトル分解経路制御"電気学会論文誌D. 123・12. 1474-1482 (2003)
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[Publications] 中崎哲, 望月光一郎, 江上正: "二輪移動ロボットの経路制御"第47回システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集. 353-354 (2003)
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[Publications] 田坂泰久, 江上正: "ベクトル分解経路制御の特性とその応用"第47回システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集. 359-360 (2003)
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[Publications] 小平幹雄, 佐野延忠, 佐藤宏紀, 江上正: "卓上型NCフライス盤の経路制御"第47回システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集. 361-362 (2003)
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[Publications] 小平幹雄, 佐藤宏紀, 江上正: "卓上型NCフライス盤の経路制御"第46回自動制御連合講演会. TA2-10-4. (2003)
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[Publications] 佐藤宏紀, 小平幹雄, 三井俊博, 江上正: "NCフライス盤の経路制御"第36回計測自動制御学会北海道支部学術講演会論文集. 3-4 (2004)
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[Publications] 小平幹雄, 佐藤宏紀, 江上正: "卓上型NCフライス盤の3次元経路制御"第36回計測自動制御学会北海道支部学術講演会論文集. 5-6 (2004)
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[Publications] 望月光一郎, 江上正: "二輪移動ロボットの経路生成と制御"第36回計測自動制御学会北海道支部学術講演会論文集. 49-50 (2004)