2003 Fiscal Year Annual Research Report
鞭毛・繊毛内の微小管滑りを規範とした3次元屈曲機構に関する研究
Project/Area Number |
13650275
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 俊一 信州大学, 繊維学部, 助教授 (50225512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 裕久 信州大学, 繊維学部, 助教授 (80125749)
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Keywords | バイオミメテイクス / バイオメカニクス / 鞭毛 / 繊毛 / 微小管 / マイクロマシン / ロボティクス / 可変剛性 |
Research Abstract |
真核生物の鞭毛や繊毛の内部には内側に2本,外側に9本の微小管が構成されており,外側の微小管にはダイニンと呼ばれるタンパク質が付いている。隣り合う2本の微小管に注目すると,ダィニンが滑り力を局所的に発生することにより,微小管同士の間に滑り運動が生じ,鞭毛や繊毛全体で屈曲運動が実現されている。本研究ではこの微小管の滑り規範とした屈曲機構を開発し,小型のマニピュレータや流体内推進機構など,工学分野に応用すること,また,鞭毛や繊毛の動きを再現し,それらの研究を支援する"鞭毛・繊毛運動シミュレータ"を開発することを目的とする。 これまで,微小管に相当する弾性梁を用意し,弾性梁上にダイニンに相当する電磁石の吸引,反発力によって滑りを再現し,屈曲運動を実現する機構を開発してきたが,より確実な滑り動作が再現できるように電磁石の配置を改善した。これより,従来よりも高い周波数における屈曲運動が実現でき,発生推進力も増加した。 また,レイノルズ数が低い,高粘性液体中での屈曲運動を可能にするため,ダイニンの働きを,電磁石に代わる,ギヤユニット付ステッピングモータと歯付ベルトによって再現した屈曲機構を開発,その運動と流体内の推進力の特性について検討した。 さらに,微小管の滑りについては規範していないが,繊毛の特徴的な動きである,「有効打」と「回復打」を再現する,可変剛性フィンと基部のモータによる推進機構を開発,基礎的な推進力特性の計測を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kobayashi, S., Mashima, T., Morikawa, H.: "Thrust Force Characteristics of Propulsion Mechanism in Fluid Using Variable-Bending-Stiffness Fin Modeled on Ciliary Movement"JSME International Journal. C, 46-4. 1340-1345 (2003)
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[Publications] Kobayashi, S., Mashima, T., Ozeki, T., Morikawa, H: "Thrust Force Characteristics of Enlarged Propulsion Mechanisms Modeled on Eukaryotic Flagellar Motion and Ciliary Motion in Fluid"Proc. of Second International Symposium on Aqua Bio-mechanisms. (CD-ROM). S.1-07 (2003)
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[Publications] 小関智真, 小林俊一, 森川裕久: "真核生物鞭毛の屈曲を規範とした水中推進機構"日本機械学会2003年度年次大会講演論文集. V. 79-80 (2003)
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[Publications] 小林俊一, 真島智明, 森川裕久: "繊毛運動を規範とした水中推進用可変剛性フィン"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'03講演論文集. (CD-ROM). 2P2-3F-D6 (2003)