2001 Fiscal Year Annual Research Report
電力クォリティ改善多機能エネルギー貯蔵システムの電力系統への導入
Project/Area Number |
13650311
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮内 肇 熊本大学, 工学部, 助教授 (20181977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 敏博 熊本大学, 工学部, 助手 (20284739)
檜山 隆 熊本大学, 工学部, 教授 (90040419)
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Keywords | 超伝導エネルギー貯蔵装置 / EMTP / 電力品質 / 高調波 / 瞬時電圧低下 / 三相平衡化 |
Research Abstract |
パワーエレクトロニクス応用機器や分散型電源は、今後ますます増加していくことが予想される。これらのパワーエレクトロニクス応用機器は電力システムの運用制御に柔軟性をもたらす反面、高周波の発生や三相の不平衡度の増加が懸念される。一方、パーソナルコンピュータから半導体生産設備まで、電力品質に非常に敏感な機器も増加しており、電力システムの品質維持と改善は非常に重要な課題であり早急に対処すべき問題である。 現在、電力品質改善対策として、積極的に補償電流を電力システムに供給するアクティブフィルタが着目されている。本研究では、元来エネルギー貯蔵装置である超伝導エネルギー貯蔵装置(SMES)が電圧形の交直変換器をもつ場合、アクティブフィルタと同じ機器構成となることから、SMESを大きなエネルギー貯蔵素子を持つアクティブフィルタとして利用することで、高調波制御、瞬時電圧低下補償、UPS機能、三相平衡化補償といった複数の電力品質改善機能を併せ持つ多機能電力品質改善装置として利用することを考えている。今年度は解析ツールであるEMTP-ATP上で、制御系をMODELSで表現し、SMESを詳細に模擬するモデルを作成することで、超伝導コイル電流の変化を解析することができるようになり、上記の各機能時に必要となるエネルギー量を見積もった。その結果、高調波抑制および三相平衡化補償時には制御に必要となるエネルギー量は極めて小さくてよいが、SMESからの補償電流が相間で不平衡となるためSMESのコイル電流に振動が生じる。その振動を抑制するためには超伝導コイルのインダクタンスにある程度以上の大きさが必要であることから、制御には直接必要とはしないがSMESにはある程度の貯蔵エネルギー容量が必要となることを示した。
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