2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷半導体材料による分散型排熱リサイクルシステムの構築
Project/Area Number |
13650317
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
高梨 良文 東京理科大学, 基礎工学部・材料工学科, 教授 (30318224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 努 東京理科大学, 基礎工学部・材料工学科, 講師 (20297625)
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Keywords | 環境半導体 / 熱電変換材料 / シリサイド / マグネシウムシリサイド / 高純度焼結カーボン |
Research Abstract |
現在用いられている熱電変換材料と比べ高い熱電性能指数(ZT)が期待されるMg_2Siについて、バルク結晶を得るための各種育成条件の抽出を行った。 試料作製 -結晶成長法として高い品質の結晶育成が期待できる垂直ブリッジマン(VB)法によりMg-rich組成(モル比Si:Mg=1:9)の原料を降温し選択的にMg_2Si結晶を析出させる方法を採用した。 -結晶育成に先立ち、900℃溶融状態での原料撹拌を十分に行い、MgとSiを均一に混合させ、育成原料とした。 -Mg_2Si育成に用いることのできるアンプルの選定を行った。石英での育成では、MgとSiO_2との間でMgOが形成され融液との間で濡れが生じ、降温後に得られた結晶はアンプルに固着していた。しかしながら、MgとSiの合金と見られる結晶が得られた。 -融液とアンプル材との間の十分な撥液性、加工の容易性、製造コスト、高純度環境の確保を考慮しカーボン系のアンプル材を検討した。単純高純度処理カーボン、グラシーカーボンでは固着と表面の変質等が確認されたが、高純度焼結カーボンでは固着を生じずに結晶を得ることができた。この結晶は、X線ディフラクトメータ法による測定からMg_2Siのみの存在が示唆された。 総括 -VB法によりMg_2Si結晶を得るために原料の前処理、ならびにるつぼ材として使用可能な素材の検討をおこなった結果、高純度焼結カーボンが有効であることが認められ、多結晶Mg_2Siの育成が確認された。今後は単結晶育成のための条件を調べ、電気伝導形の制御をおこなうつもりである。
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