2003 Fiscal Year Annual Research Report
密閉容器中のガス絶縁破壊特性に及ぼす窒素励起粒子の影響
Project/Area Number |
13650318
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯本 雅恵 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10120867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜村 尚樹 武蔵工業大学, 工学部, 助手 (30287859)
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Keywords | 放電開始電圧 / 放電確率 / 放電遅れ時間 / 初期電子 / 四重極質量分析装置 / しきい値イオン化質量分析 / 中性活性種 / バイアス電圧 |
Research Abstract |
これまでの実験により、密閉容器中に窒素を封入して放電を繰り返すと、破壊回数が増えるとともに破壊確率が上昇し、放電遅れ時間の減少が認められることを明らかにした。また、コロナ放電を発生させた後に主電極間に電圧を印加して絶縁破壊特性を測定した場合にも、破壊確率の上昇、放電遅れ時間の減少が顕著であることを確かめた。 そこで、本年度は放電で発生した活性種の空間での蓄積がこれらの現象をもたらす原因であることを確かめるために、先ず、コロナ放電電荷量を制御した条件で、コロナ放電発生後の時間経過による絶縁破壊特性の変化を実験的に確かめた。これは、コロナ放電電荷量に比例して活性種の発生が変化すること、また時間とともに活性種は拡散あるいは再結合によって消滅することが期待できるため、空間に残留する活性粒子数がコロナ放電電荷量と時間によって変化することを期待したためである。測定の結果、コロナ放電発生後5秒経過後に絶縁破壊特性を測定した場合と、30秒経過後に測定した場合とを比較すると5秒後のほうが破壊確率は高くなったが、その変化はわずかであった。しかし、放電遅れ時間の変化はラウエプロットに描いて比較するとその傾きは5秒後のほうが2倍程度大きな値となり、また放電電荷量が多い場合のほうがいずれの傾向も顕著に現れることが確かめられた。 次に、中性活性種がこれらの現象をもたらす原因となっていることを確かめるため、荷電粒子を空間から除去することを期待して定常的に電極間にバイアス電圧を印加して絶縁破壊特性を測定した。その結果、バイアス電圧が低い場合には電圧とともに破壊確率は低下し、荷電粒子の除去の効果が現れていることが確かめられ、上記の現象が中性活性種の蓄積によるものと考えて不合理ではないと判断できた。しかし、印加電圧が高くなると、破壊確率がむしろ増加の傾向が現れた。 以上の結果より、空間に中性活性種が蓄積することにより絶縁破壊特性が変化することは実験的に確かめられたが、定量的な検討、およびバイアス電圧の依存性に関しては、更なる検証が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Matsuda: "Detection of Nitrogen Metastable Molecules by Using the Threshold Ionization Mass Spectrometry"Electical Engineering in Japan. 147・1. 17-24 (2004)
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[Publications] K.Sakurai: "Change of breakdown probability of compressed nitrogen gas"Proc.13^<th> Inter, Symp.High Voltage Engineering. CD-ROM. (2003)
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[Publications] 久保田 純: "輸送時間を用いたN原子の実効的な拡散係数の算出"電気学会、放電研究会資料. ED-04-33. 37-42 (2004)