2002 Fiscal Year Annual Research Report
外部界面の電気絶縁性能評価方法の確立とその現場適用性の検討
Project/Area Number |
13650340
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
水野 幸男 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50190658)
|
Keywords | 外部界面 / シリコーンゴム / 撥水性 / 水滴挙動 / フラッシオーバ / 漏れ電流 / 分離計測 / 塩霧加速劣化試験 |
Research Abstract |
外部界面の代表例である高分子がいしを想定して、シリコーンゴムと空気との界面における電気絶縁性能評価に関する実験・検討を行った。成果を以下に示す。 1.シリコーンゴム表面の水滴挙動:シリコーンゴムは撥水性を有するため、表面に付着した水分は水滴状となる。交流電圧印加時の水滴挙動を高速度カメラで詳細に観察し、水滴がフラッシオーバ電圧に及ぽす影響を評価した。 (1)水滴が帯電していない場合には、印加電圧周波数の2倍の周波数で振動する。水滴を帯電させると、振動周波数は印加電圧周波数と同じになる。それぞれ、マクスウエル応力、クーロン力が働くためと考えられる。 (2)水滴体積を7〜100μl、印加電圧周波数を10〜80Hzで変化させたところ、いずれの水滴体積においても3つの周波数で共振現象が観測され、それぞれ振動モードが異なることがわかった。 (3)3つの共振モードのうち、水滴の振動が最も激しくなるモードにおいては、フラッシオーバ電圧が60%程度に低下し、振動が電気的特性に影響を及ぼす場合があることを確認した。 2.シリコーンゴム表面の漏れ電流の分離計測:導電性成分、ドライバンドアーク放電成分、コロナ放電成分、の3種類に分けて放電電荷量を測定するシステムを構築し、実験を行った。 (1)昨年度構築したシステムを改良し、より正確な計測を可能とした。 (2)従来使用してきた丸棒状試料の代わりに、入手しやすい板状シリコーンゴム試料を用いた場合の試験仕様を調査し、試料・電極形状を工夫すれば霧室を用いた塩霧加速劣化試験が可能であることを示した。 (3)ドライバンドアーク放電が試料の劣化に影響を及ぼとの実験結果が得られた。
|
-
[Publications] 大村英史: "汚損湿潤時におけるシリコーンゴム表面の漏れ電流計測"2002年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集No.80. 40 (2002)
-
[Publications] Rosario Hilario: "直流電圧印加時のシリコーンゴム上における水滴挙動の観察"2002年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集No.235. 118 (2002)
-
[Publications] 高瀬雄矢: "交流電圧印加時のシリコーンゴム上における水滴の振動解析"2002年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集No.236. 118 (2002)
-
[Publications] Yukio Mizuno: "Water droplet behavior and discharge activity on silicone rubber surface energized by AC voltage (part II)"Annual Report Conference on Electrical Insulation and Dielectric Phenomena. 351-354 (2002)
-
[Publications] 高瀬雄矢: "シリコーンゴム表面に付着した水滴の振動の観察と解析"平成15年電気学会全国大会講演論文集No.2-098. 2. 108-109 (2003)
-
[Publications] Rosario Hilario: "Vibration of water droplet on silicone rubber and resultant flashover"平成15年電気学会全国大会講演論文集No.2-099. 2. 110 (2003)
-
[Publications] 大村英史: "汚損湿潤時におけるシリコーンゴム表面の漏れ電流計測"平成15年電気学会全国大会講演論文集No.2-100. 2. 111 (2003)
-
[Publications] Yukio Mizuno: "Behavior of water droplet on silicone rubber under AC voltage application"International Symposium on High Voltage Engineering. (to be presented). (2003)