2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650341
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
穂積 直裕 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30314090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村本 裕二 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70273331)
長尾 雅行 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30115612)
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Keywords | 空間電荷計測 / キャリア移動度 / 可視化 / 材料 / 表面電荷層 |
Research Abstract |
複写機用感光材料のキャリア挙動の観測を目的とし、直流バイアス電界をかけた状態のフィルム試料にレーザー光で過剰キャリアを励起して電極から注入し、パルス静電応力法を用いて過渡的空間電荷測定を行うことによりキャリアの移動を追尾する方法を提案した。本年度はこれを実現するため、0.1マイクロ秒程度の時間幅の光パルスを照射した後の空間電荷を追尾できるシステムを新たに設計、製作した。光伝導性ポリマを試料とした予備実験を実施し、10^<-5>cm^2/Vs程度の移動度を持つキャリアの移動が実際に追尾できることを確認した。同様の条件で測定される過渡電流から求められる概略の移動度推定値は、過渡的空間電荷から求めた移動度の値とよく一致した。これらにより、複写機用感光材料のキャリア挙動が評価できる見通しを得た。また、ポリマ中のキャリア挙動を把握するためのモデル実験として、エチレン・酢酸ビニル共重合体中にパルス電圧でキャリアを励起して同様の実験を行い、移動度の電圧依存性および温度依存性を測定するとともに、過渡的空間電荷と直流電気伝導との比較を行った。その結果、電流はバルク内のキャリア移動度に律速されていることが明らかになった。これらにより、提案する測定手法によって絶縁体内のキャリア挙動を詳細に把握できることが示された。
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[Publications] 藤井 雅之: "絶縁破壊に近い交流高電界領域における高分子材料の充電電流増加に対する考察"電気学会論文誌A. 121・6. 573-579 (2001)
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[Publications] 藤井 雅之: "交流高電界下における高分子フィルムの静電容量変化にもとづく空間電荷挙動の検討"電気学会論文誌A. 121・7. 689-698 (2001)
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[Publications] 村上 義信: "極低温-室温領域におけるEVAフィルム中の空間電荷測定"電気学会論文誌A. 121・8. 758-763 (2001)
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[Publications] 松村 弘美: "過渡的空間電荷の計測による絶縁体中のキャリア移動度の測定"電気学会論文誌A. 121・8. 778-783 (2001)
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[Publications] N.Hozumi: "CarrierMobility in Ethlene-Vinylacetate Copolymer Estimated by Transient Space Charge"IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation. 8・5. 849-853 (2001)
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[Publications] N.Hozumi: "Observation of Carrier Behavior in Organic Photo-conductor by Transient Space Charge Measurement"2001 Annual Report of CEDIP(01CH37225). 1. 500-503 (2001)