2003 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子を用いた環境依存性を持つニューロン型素子の開発と形状評価に関する研究
Project/Area Number |
13650348
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤井 雅治 愛媛大学, 工学部, 助教授 (00127911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井堀 春生 愛媛大学, 工学部, 助手 (70249861)
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Keywords | 電界分布 / カー効果 / 液体誘電体 / 時系列測定 / 電界測定 |
Research Abstract |
今年度、本研究によって明らかになった内容は以下のとおりである。 ニューロン型導電性高分子の学習効果を安定させて再現するには2層の複合化が良いことを見出した。ゲルの性質を利用するとフィルムが脆くなり、実用的ではない。そこで、側鎖のないポリチオフェンを用いることで、エタノール滴下に起きる膨潤収縮の割合を押さえることにより、機械的強度に優れたものが得られることを、簡易ネットワークを用いて確かめた。 学習過程のドーパントの動きを知るために、吸収スペクトルを測定し、エタノール滴下時に導電性高分子内で起きるドーパントの変化を調べた。吸収スペクトルの時間的変化はエタノール滴下より必ずしも同じ変化をするのではないことが分かったが、エタノール滴下により、脱ドープが起きていることを時間的変化としてとらえることができた。これにより、吸収スペクトルは複合フィルムを用いたときの学習効果の安定性を調べる上で有用なツールのなることが確かめられた。 ネットワークパターンが環境条件に依存することは既に報告しているが、今回、この重合過程を考察するため、この環境条件依存性を積極的に応用し、直線的に導電性高分子を成長させることを試みた。パターン形成に関与している、モノマーと電解質、酸化電位の3つのパラメータを中心に考え、2次元への転移と転移後の成長、そして電流の流れについて実験的に制御した。この結果、ワイヤー状の導電性高分子ネットワークが作成可能となること、更に、枝分かれするように条件を変え、Y型、ダイヤモンド型など導電性高分子を重合することが出来た。これは、ニューロン型導電性高分子の成長パターンの環境条件依存性を利用することにより成長パターンは細部までパターンを制御することが可能となってくることを示唆している
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤井雅治, 中都輝陽, 井堀春生, 有井清益: "複合ニューロン型導電性高分子ネットワークの学習効果付加について"平成15年電気学会全国大会論文集. 143 (2003)
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[Publications] 藤井雅治, 井堀春生: "局所フラクタル次元を用いた2次元成長導電性高分子パターン解析"有機エレクトロニクス研究会. OME2003-72〜79. 17-20 (2003)
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[Publications] 藤井雅治, 納聖平, 井堀春生, 有井清益: "電解重合法による導電性高分子の1次元成長"平成15年度電気関係学会四国支部連合大会論文集. 158 (2003)
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[Publications] 湯浅巧一, 井堀春生, 藤井雅治, 有井清益: "ポリチオフェンを用いた導電性高分子フィルムの学習効果"平成15年度電気関係学会四国支部連合大会論文集. 158 (2003)
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[Publications] 藤井雅治, 井堀春生, 有井清益: "ニューロン型導電性高分子の基本特性"工学ジャーナル. 第1巻. 173-180 (2003)
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[Publications] M.Fujii, H.Ihori, K.Arii: "Control of linear pattern of conducting polymer prepared electrochemically"Transactions of IEICE, C. Vol.E87-C, No.2. 174-178 (2004)