2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650355
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
林 伸行 法政大学, イオンビーム工学研究所, 教授 (30318612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 保 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (40016176)
坂本 勲 産業技術総合研究所, 第2, 主任研究官
佐藤 政孝 法政大学, イオンビーム工学研究所, 助教授 (40215843)
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Keywords | 巨大磁気抵抗効果 / 超微粒子 / 鉄イオン注入によるグラニュラー層 / メスバウアー分光法 |
Research Abstract |
巨大磁気抵抗効果(GMR)については、金属・合金の人工格子膜、グラニュラー薄膜、及び積層酸化物膜等を用いて広く活発に研究されてきており、HDD用GMRヘッドへの応用など産業上も広く注目されている。本研究では、ナノサイズの金属超微粒子を絶縁性酸化物中に分散させた磁性金属/非金属グラニュラー系GMR材料作製の新技術を開拓することを目的とし、単結晶Al_2O_3にFeイオンを注入して合成したグラニュラー層のGMR発現機構を解明するための研究を行った。我々は既にイオン注入法によるGMR効果の発現を見出しているが、平成13年度では特に、高ドーズ量の注入により形成される微粒子状態の解明とGMR特性との関連を調べた。その結果、 (1)CEMS(内部転換電子メスパウアー)測定から、超微粒子は、(1.5-2.0)x10^<17>ion/cm^2のドーズ量で超常磁性→強磁性遷移が起こり、さらに注入量を増すと強磁性相的性質が支配的となり、バルク鉄の状態に徐々に近づく。 (2)このような超微粒子に特有な磁性変化は、VSMによる磁化測定からも確かめられた。 (3)磁気抵抗変化率MR比は、強磁性相が出現する直前の1.5x10^<17>ion/cm^2において、最大値7.5%(外部磁場H=11KG)と得られた。しかし、3.0x10^<17>ion/cm^2に於いても3.0%の値を示した。また、(1.5-2.0)x10^<17>ion/cm^2のドーズ量範囲において注入量を増やすと磁場感度は増していくことが解った。 (4)磁場印加したCEMS測定から、における微粒子直径は、3.5nm及び6.2nmにピークを持つサイズ分布をすることが求められた。イオン注入量を増すにつれ、微粒子数が増すのではなく、注入鉄イオンを取り込んで粒が成長していくものと考えられる。 以上により、AL_2O_3中に鉄イオンを高ドーズ注入して作製したグラニュラー層の物性について多くの新たな知見が得られたので、当該年度では国際会議にて5件の発表を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Hayashi, I.Sakamoto 他5名: "Embedded Iron Nano-clasters Prepared by Fe Ion Implantation"IEEE Proc. Inter. Conf. IIT 2000, 00EX432. 781-784 (2001)
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[Publications] N.Hayashi, I.Sakamoto 他4名: "Nano-Clustering of Iron and Magnetic Propaties of the Fe Implarted In MgO"Physica Status Solidi (a). 189・3. 775-780 (2002)
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[Publications] H.Wakabayashi N.Hayashi 他3名: "Conversion Electron Mossbauer Stady on Fe-Implanted α-Al_2O_3 with Applied Magnetic Fields"Physica Status Solidi (a). 189・2. 515-520 (2002)