2002 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡の微細探針を用いた100nm以下のレジストパターンの付着凝集解析
Project/Area Number |
13650373
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
河合 晃 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00251851)
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Keywords | 付着力 / 半導体集積回路 / 原子間力顕微鏡 / レジスト / 表面エネルギー / 有限要素法解析 / リソグラフィー / 高分子集合体 |
Research Abstract |
ギガビットクラスの高集積半導体メモリに代表されるように、21世紀のIT産業の発展に伴って、高機能電子デバイスの開発が必須となっている。このような電子デバイス開発に関わるプロセス技術の中で、リソグラフィー技術に用いられるレジストパターンも、100nmサイズにおける実用化、70nmサイズの研究開発が活発に行われている。しかしながら、レジストパターンの付着力および凝集性が極めて悪く、これらの特性改善は早急に解決すべき課題である。そこで、本研究では、原子間力顕微鏡(AFM)の微細探針を用いて、70nm以下のサイズのレジストパターンの付着力、凝集力、粘弾性特性を直接解析する。そして、従来の研究では成し得なかった凝集破壊を支配する要因(破壊限界点、応力集中、高分子構造など)を具体的に定量解析する。最終的には、パターン不良のないリソグラフィー技術の材料設計法を含めた指針を決定する。 研究実績としては、まず、線幅を細めて50nmクラスのレジスト微細パターンの倒壊特性を解析した。具体的にはEB(電子線)およびSOR(シンクロトロン放射光)対応レジストに対して、原子間力顕微鏡の微細探針を用いて、弾性率の定量化手法を確立した。それが、レジストの機械的特性を検討する上で有効に寄与することに言及した。その他にも、溶液中での付着力測定や共振法による測定などの新規解析手法の確立を行った。そして、付着力解析に必要なパラメーターを最適化するための知見を多く得た。これらの成果により、現在のギガビットクラスの集積度を有するメモリデバイスの開発に貢献するものと考える。今後、線幅が30nm以下のレジストパターンについて、倒壊特性を研究する必要がある。このような微細な領域では、レジストの高分子集合体の形状サイズ効果が顕著になる。これは、パターン側面に存在するエッジラフネスに大きく影響する要因であるが、レジストパターンの付着性に及ぼす影響について注目する必要がある。 今年度の研究において得られた成果は、原著論文6報、国際学会1件、国内学会10件として公表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akira Kawai, Daisuke Inoue: "Peeling Property of Resist Pattern in Water Analyzed by Atomic Force Microscope"J. Photopolymer Science & Technology. 15. 757-758 (2002)
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[Publications] Akira Kawai, Daisuke Inoue: "Van der Waals Interaction between Polymer Aggregates and Substrate Surface Analyzed by Atomic Force Microscope (AFM)"J. Photopolymer Science & Technology. 15. 127-132 (2002)
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[Publications] Akira Kawai: "Adhesion and Cohesion Properties of Dot Resist Patterns Ranging from 84 to 364nm Diameter Analyzed by Direct Peeling Method with Atomic Force Microscope Tip"J. Photopolymer Science & Technology. 15. 121-126 (2002)
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[Publications] Akira Kawai: "Cohesion Property of Polymer Aggregate in Resist Pattern Analyzed by Atomic Force Microscope (AFM)"J. Photopolymer Science & Technology. 15. 371-376 (2002)
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[Publications] Akira Kawai, Daisuke Inoue: "Effect of Thermal Stress on Peel Property of Line Resist Pattern Analyzed by Atomic Force Microscope (AFM)"J. Adhesion Soc. Japan. 39(in press). (2003)
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[Publications] Daisuke Inoue, Akira Kawai: "Peeling Analysis of Resist line pattern of 170nm width due to crack formation by using atomic force microscope tip"Surface and Coating Technology. (in press). (2003)