2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650375
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
木下 治久 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (70204948)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神藤 正士 静岡大学, 工学部, 教授 (60023248)
|
Keywords | ダイヤモンド状炭素膜 / マグネトロンプラズマ / スーパーマグネトロンプラズマ / プラズマCVD / フィールドエミッタ |
Research Abstract |
本研究においては、ほぼ均一に高密度プラズマを発生可能なスーパーマグネトロンプラズマ装置を用いてダイヤモンド状アモルファス炭素(DAC)膜を作製した。我々が作製したDAC膜は、金属を含まず良導電性の硬い炭素を主体とする膜であるので、真空フィールドエミッタ用材料に好適と考えられる。そしてこの導電性DAC膜を用いて1μm角に微細加工した薄膜状フィールドエミッタを作製し、電界放出特性を評価した。 先ず最初に、分子内に含まれる炭素原子数が多いイソブタン(i-C_4H_<10>)を用いて、DAC膜の高速成膜を試みた。抵抗率を下げるため、n型ドーパントとなるN原子の供給用のN_2ガスを添加し、繰返し堆積法により基板を冷却しながら堆積した。その結果、基板温度100℃、上下RF電力1kW/1kWの時、抵抗率が0.03Ωcmと大幅に小さく、バンドギャップが零となる膜が得られた。得られた最大膜厚は2.1μmとかなり厚く、その膜の硬度は、SiO_2の13.1GPaよりも硬く30GPa程度であった。FT-IRスペクトルの測定によりC-N、C=N、C≡Nの伸縮振動の吸収スペクトルが観測され、N原子が膜中に取り込まれている事が確認できた。 次に、この導電性DAC膜(n-Si基板上に堆積、膜厚0.05μm)を1μmドット形状に微細加工し、電界電子放出特性を測定した。電子放出の閾値電圧は10V/μmとかなり低く、得られた最大電流密度は約3mA/cm^2と大きかった。この研究により、フィールドエミッタの高性能化に導電性DAC膜が大変有効であることが実証できた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] H.Kinoshita: "Supermagnetron Plasma Chemical Vapor Deposition and Qualitative Analysis of Electrically Conductive DLC Films"J. Vac. Sci. Technol. A. Vol.19. 1577-1581 (2001)
-
[Publications] 木下治久: "フィールドエミッタに適応する導電性ダイヤモンド状アモルファス炭素膜の作製"表面科学. 23巻. 51-55 (2002)
-
[Publications] H.Kinoshita: "Intermittent CVD of Thick Electrically Conductive DLC Films Using i-C_4H_<10>/N_2 Supermagnetron Plasma"J. Vac. Sci. Technol. A. Vol.20. 403-407 (2002)
-
[Publications] H.Kinoshita: "Physical Properties of Nitrogen-Doped Diamon-Like Amorphous Carbon Films Deposited by Supermagnetron CVD"J. Vac. Sci. Technol. A. Vol.20. 1481-1485 (2002)
-
[Publications] H.kinoshita: "Deposition and Field-Emission Characterization of Electrically Conductive DLC Films"Proceedings of JICAST. Vol.7. 233-236 (2002)
-
[Publications] H.Kinoshita: "Growth and Field Emission Characterization of Electrically Conductive DLC Films"Proceedings of Symposium on Plasma Processing. Vol.20. 77-78 (2003)