2001 Fiscal Year Annual Research Report
積層型ウィスパリングギャラリモード誘電体円板共振器の共振特性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13650393
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
苫米地 義郎 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (00008062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 真理 宇都宮大学, 教育学部, 講師 (90282376)
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Keywords | ミリ波帯 / 帯域通過フィルター / ウィスパリングギャラリモード / 積層型誘電体円板構造 / 共振特性 / 結合係数 / 外部Q値 |
Research Abstract |
本研究はウィスパリングギャラリモードで動作する誘電体円板共振器を間隔dを持って積層化し、その透過電力特性をミリ波帯での帯域通過フィルターに応用しようとするものである。本年度は、上下の円板が全く同じ対称5層構造から成る積層型誘電体円板共振器の共振周波数を数値解析的に求めるべく固有値方程式を近似変数分離法を用いて誘導した。その結果、間隔dが大きい場合の共振周波数は円板が単独に存在しているときのそれにほぼ等しいものの、間隔dが小さくなると、2枚の円板が互いに影響し合い、偶モードの共振周波数fevenと奇モードの共振周波数foddに分かれ、間隔dの減少とともにそれらの差は大きくなることが理論的及び実験的に分かった。これらの特性により得られる円板間の結合係数や、実験的に得られる励振用導波路と円板間の外部Q値をフィルターの設計理論に適用することにより、本構造は十分ミリ波帯での帯域通過フィルター(通過域はfodd-feven)に応用可能であることが分かった。なお、本年度算出された固有値方程式は上下の円板が異なる非対称5層構造から成る積層型誘電体円板共振器にも容易にできることが、現在までの研究により明らかになっている。また本年度の実験は本科学研究補助金で購入した低損失誘電体材料(アルミナ)からなる全く同じ2枚の円板共振器を積層化し、現有設備であるマイクロ波測定装置を用いたモデル実験である。現在、本研究代表者及び分担者は本科学研究補助金で購入したミリ波ソースモジュール等を用いたミリ波帯での実験回路の構築に誠心誠意取り組んでおり、近い将来ミリ波帯での実際に即した実験が可能と思われる。
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