2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650418
|
Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
三木 信弘 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30002314)
|
Keywords | 音声 / 音声生成 / シミュレータ / FEM / 音響解析 / 声道 |
Research Abstract |
人間が有している雑音のある状態でも会話が出来る相互通信能力は優れた情報処理能力の一つとして知られている。しかし実音声の声質と音声生成系の形状との関係は解明されていない。本研究ではMRIデータから構成する独自の声道の3次元有限要素法(FEM)を用いる音響解析法を開発している。口腔や咽頭の形状などの特徴がどのように声質や個人性に及ぼすかについて定量的に評価できるためのシミュレーション・アルゴリズムを開発している。 従来のFEM解析法では形状データから作られる連立一次方程式の係数マトリクスをコレスキ分解などによって直接解を求めて行く方法が用いられて来た。従来の方法の問題は、計算時間が非常に長く音響解析を多くの形状条件を変化させて検討してゆくことが困難であった。 これに対して本研究では、並列アルゴリズムに適したプレコンディショニング付き逐次近似法を導入し、50Hz程度の低い周波数から8KHz程度の高い領域までの声道伝達関数を高速に求める方法を検討した。新しいアルゴリズムの開発に成功し、従来の方法より5倍から10倍の高速化が可能である。 本研究には声道形状の精度の良い観測が必要であるが、基礎データを医療用MRIでの計測をATR(京都府精華町)の協力によって得ることが出来た。計測データから形状を観測できることが可能となったが、3次元形状モデルを作る段階でのソフトウェアの開発は次年度に継続する課題となっている。 CREST Workshop on Speech Motor Control and Modeling (September 24 (Mon.) and 25 (Tue.),2001.)において"Acoustic analysis of vocal tract in time-domain and FEM"と題してアルゴリズムの有効性を発表した。
|
-
[Publications] 三木 信弘: "Lossy Transmission Line Modelの応答に関する考察"電子情報通信学会技術報告. 19・June. 139-144 (2001)
-
[Publications] 吉川英一, 三木信弘: "時変声道アナログ・モデルの瞬時スペクトルの評価法"電子情報通信学会技術報告. 19・June. 25-32 (2001)