2002 Fiscal Year Annual Research Report
カオス発振回路のパルス結合ネットワーク:多彩な同期現象の解析と分類機能の考察
Project/Area Number |
13650427
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
斎藤 利通 法政大学, 工学部, 教授 (30178496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥飼 弘幸 法政大学, 工学部, 助手 (20318603)
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Keywords | パルス結合ニューラルネット / 同期現象 / 分岐現象 / カオス / 発振器 / パルス系列 / 画像領域分割 |
Research Abstract |
多彩なパルス系列発生回路(PGC)のパルス結合ネットワーク(PCN)を構成し、系が呈する現象の解析と画像処理への応用に関する考察を行った。結果の概要は以下のようである。 1 最も簡単なPCNであるPGCの相互結合系の現象を解析した。2つのPGCの時定数パラメータが近ければ、現象がカオスであっても系は同期現象を呈し、パラメータミスマッチが顕著になると同期状態が崩れていく。このような現象を、同時発火率という評価量を導入して定量的に解析した。また、パルス結合系は、通常の滑らかな結合系よりも、同期達成への過渡過程が短く、感度が優れていることも明らかにした。 2 カオスを発生するPGCをリング状につないだPCNを構成し、このPCNの構成要素であるPGCのパラメータを変化させたところ、パラメータ値の近いPGC同志は同期してグループを構成するが、グループ間は非同期状態となる"局所同期現象"を発見した。 3 局所同期現象を応用するため、2次元格子状にPGCをパルス結合したPCNを構成した。同PCN内では、各PGCはその最近傍PGCとのみ結合している。各画素の濃淡レベルを各PGCのあるパラメータに対応づけることによって、画像データをPCNに入力した。このPCNは、濃淡レベルの近い画素に対応するPGC同志が同期してグループ化する局所同期現象を呈するので、この局所同期現象は画像領域分割に応用できる。我々のPCNによる領域分割法は、既存の方法と比べ、結合方法が簡単であることと、処理速度が早いこと、が大きな特徴であり長所である。 4 大規模なPCNをハードウエア化する基礎として、PGCをキャパシタ、抵抗、電圧制御電流源、スイッチによって実装し、多彩なパルス系列の発生を確認した。そして、このPGCを用いて小規模なPCNを実装し、局所同期現象の発生を確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hidehiro Nakano, Toshimichi Saito: "A simple nonautonomous chaotic circuit with a periodic pulse-train input"Proceedings of IEEE International Symposium on Circuits and Systems. (発表予定). (2003)
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[Publications] Toshimichi Saito, Fumitaka Komatsu, Hirovuki Torikai: "Superstable synchronous phenomena of switch-coupled relaxation oscillators"IEICE Transactions on Fundamentals(電子情報通信学会英文論文誌). E85-A・10. 2318-2325 (2002)
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[Publications] Masanori Shimada, Toshimichi Saito: "A GA-based learning algorithm for binary neural networks"IEICE Transactions on Fundamentals(電子情報通信学会英文論文誌). E85-A・11. 2544-2546 (2002)
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[Publications] Hiroyuki Torikai, Toshimichi Saito: "Analysis of a quantized chaotic system"Int'l J. of Bifurcation and Chaos. 12・5. 1207-1218 (2002)
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[Publications] Kiyomitsu Ogata, Toshimichi Saito: "Chaotic attractors in a 4-D oscillator based on 2-port VCCSs"Proceedings of IEEE International Symposium on Circuits and Systems. II. 556-559 (2002)
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[Publications] Hiroyuki Torikai, Toshimichi Saito: "A quantized chaotic spiking oscillator : analysis and implementation"Proceedings of IEEE International Symposium on Circuits and Systems. II. 540-543 (2002)