2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650468
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
井内 徹 東洋大学, 工学部, 教授 (20232142)
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Keywords | シリコン / 半導体 / ウエハー / 放射測温 / 放射率 / 偏光 / 酸化膜 / 薄膜 |
Research Abstract |
平成13年度の研究計画として,対象となるSi半導体ウエハーを加工準備し,既存の測定装置と新たに導入する機器を本研究に対応できるように準備した上で,基礎実験と放射率挙動シミュレーションを実施した. Si半導体ウエハーの測温では汚染が深刻な問題となるので,非接触測温が不可欠である.そのため,放射測温法の適用を想定して研究を進めている. 基礎実験において,3インチ径のウエハー面が反ることなく加熱するためには,均熱加熱することが大きな課題であった.まだ十分ではないが,面の反りが明確でない程度の加熱条件を見出した.Siウエハー面の真温度を計測して放射測温における放射率を求めるために,実験室レベルにおいて熱電対をウエハー面に溶接する必要があるが,ウエハー内に溶接電流を通すことが困難であるため不可能であった.このため,ウエハー面の真温度測定のために,ウエハー面に黒体塗料を塗布し,放射率を近似的に1.0とみなした状態で放射計で温度計測し,この温度をもって真温度とみなした.このときの加熱条件を対応させてウエハー温度をモニターした.しかし,この技術は暫定的な処置であり,今後検討すべき大きな課題として残っている.種々の酸化膜試料を作成し,薄膜測定装置で光学定数,酸化膜厚の測定を実施した.酸化膜厚の変化にかかわらず,光学定数の虚数部,すなわち減衰係数は400〜1100nmの範囲で実質的に0であることを確認した.すなわち,酸化膜が実質的に誘電体であることを確かめた.このことは放射率挙動シミュレーションを実施する上で有益な情報である. 次に放射率挙動シミュレーションを進め,ウエハー面の偏光放射率挙動を酸化膜厚との関係で捉えた.その結果,ある角度で分光放射率が酸化膜厚によらず一定値になる条件のあることを見出した.この条件が普遍的なものであるか今後詳細に調べる必要があり,理論・実験両面から考察を進めていく.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Furukawa, T.Iuchi: "Experimental apparatuses for radiometric emissivity measurements and their applications"Proceedings of TEMPMEKO2001. (in print). (2001)
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[Publications] T.Iuchi, T.Tsurukawaya, A.Tazoe: "Emissivity compensated radiation thermometry using directional radiance"Transactions of the Society of Instrument and Control Engineers. Vol.1・No.1(in print). (2002)
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[Publications] 井内 徹: "酸化被膜成長時の放射率特性のモデリングと放射測温への応用"計測自動制御学会 第110回温度計測部会講演会赤外線応用温度・熱画像計測技術の最新動向. 25-32 (2001)
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[Publications] 和田重信, 佐藤伸治, 古川 徹, 井内 徹: "酸化中の金属放射率挙動と酸化表面の評価法"第40回SICE学術講演会. 101D-7. (2001)
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[Publications] 佐藤伸治, 古川 徹, 和田重信, 福島, 井内 徹: "酸化膜生成過程における金属の偏光放射率変化"第62回応用物理学会学術講演会. p-za-2. (2001)
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[Publications] 佐藤伸治, 古川 徹, 井内 徹: "ステンレス鋼板に関する放射率補正技術の研究"計測自動制御学会 第18回センシングフォーラム. 65-70 (2001)