2001 Fiscal Year Annual Research Report
集中定数部と分布定数部をもつ系に対する最適レギュレータの構成法とその性質
Project/Area Number |
13650490
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 智裕 徳島大学, 工学部, 助教授 (20205123)
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Keywords | むだ時間 / 最適レギュレータ / メモリーレスフィードバック |
Research Abstract |
集中定数部と分布定数部をもつ系の中から特に中立型むだ時間系を選び,最適レギュレータの構成法とその性質について検討しました.従来,中立型むだ時間系に対して最適レギュレータを構成するためには無限次元リカッチ方程式の解を用いて定めた状態フィードバックによるのが一般的でした.しかし無限次元リカッチ方程式は解くことが難しく,実プラントに状態フィードバックを実装することも容易ではありませんでした.これに対して本研究では,有限次元線形行列不等式の解を用いて定めたメモリーレスフィードバックにより,ある2次形式評価関数に対する最適レギュレータを構成できることを明らかにしました.ディジタルコンピュータを用いると,有限次元線形行列不等式は無限次元リカッチ方程式に比べて簡単かつ効率的に解を求めることができます.またメモリーレスフィードバックは状態フィードバックのように内部変数のメモリーや実時間積分演算を必要としないので,実プラントヘの実装も容易になります.そのような意味で本研究により,設計も実装も容易な最適レギュレータができるようになりました.またむだ時間を含まない場合には,最適レギュレータは制御系として望ましいかずかずの性質を備えていることが知られています.本研究では,上述の方法によって中立型むだ時間系に対して構成される最適レギュレータの性質について調べました.その結果,むだ時間を含まない場合の最適レギュレータと同様に1/2以上無限大のゲイン余裕と±60度以上の位相余裕をもつことが保証されるという,望ましい性質をもつことが明らかになりました.
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Research Products
(1 results)