2001 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート部材のひび割れからの透水量および透気量の予測方法に関する研究
Project/Area Number |
13650509
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
氏家 勲 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90143669)
|
Keywords | ひび割れ / 透気 / 透水 / コンクリート強度 / ポアズイユ流れ / ひび割れ表面粗さ |
Research Abstract |
鉄筋コンクリート部材のひび割れからの透水量および透気量の予測において,ひび割れ内の流れに対してポアズイユの法則を適用した式を用いることは合理的であるが,解決すべき問題はその中に含まれているひび割れ内部の形状に関する項を定量的に評価することである。そこで本研究は,ひび割れ内部の形状を決定するものとして,1)ひび割れ表面の曲がりと凹凸,2)鉄筋の配置による部材表面と鉄筋近傍までのひび割れ幅の変化,の2つに着目した。平成13年度はひび割れ表面の曲がりや凹凸などに影響を及ぼす要因としてコンクリート強度を取り上げ、強度の異なるコンクリートを用いて、ひび割れからの透気試験およびひび割れ面の表面形状測定を実施し、そして、ポアズイユ流れに基づく評価式に含まれている補正係数とひび割れの表面形状との関係について検討した。得られた結果をまとめると以下の通りである。 (1)コンクリートの圧縮強度が高くなると、ひび割れ表面は相対的に滑らかになり、移動平均を用いてひび割れのうねりおよび表面粗さを評価することができる。 (2)同じひび割れ幅の場合、水セメント比が小さい方がひび割れからの透気量は大きい。 (3)ひび割れからの透水量は経時的に減少するが、圧力作用から2時間後および1日後の透水量はどちらも透気量と相関性がある。 (4)ポアズイユ流れに基づくひび割れからの透気量の評価式に含まれる補正係数には作用圧力の大きさはほとんど影響しない。 (5)補正係数はひび割れの表面粗さと関係し、平均粗さが小さくなると、すなわち圧縮強度が高くなると小さくなる。 (6)ひび割れ幅が約0.05〜0.2mmの範囲では補正係数を一定としてひび割れからの透気量を評価するととができるが、約0.05mm以下ではやや過大評価となる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 氏家勲, 馬場徹: "コンクリート強度の違いがひび割れからの透気量に及ぼす影響"セメント・コンクリート論文集. 55. 296-302 (2002)
-
[Publications] Isao Ujike: "Experimental study on leakage of air and water through cracks in concrete"Proc. of 6^<th> Int. Conf. on Creep, Shrinkage and Durability Mechanics of Concrete and Other Quasi-Brittle Materials. 443-448 (2001)