2003 Fiscal Year Annual Research Report
地下鉄軌道の防振性評価と最適設計手法の構築に関する研究
Project/Area Number |
13650517
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 和久 新潟大学, 工学部, 助教授 (40175899)
|
Keywords | 地下鉄道 / 防振対策 / パレート最適解 / 多目的GA |
Research Abstract |
平成13年度に構築した三次元地下鉄振動解析手法に基づき,地下鉄軌道構造の最適設計手法を構成した. 最適設計における目的関数として,防振効果,建設費用,レール寿命の3つを設定した.防振効果は地下鉄トンネル天井部の鉛直方向振動加速度レベル(dB)により評価した.建設費用は軌道方向単位長さ当りの建設に要する費用(円/m)により定義した.またレール寿命は,レール底部に初期亀裂を設定し,絶対最大曲げモーメントに基づき応力進展解析を行い,通過トン数により評価した. 一方,設計変数には,これまでの研究より得られた知見に基づき,防振効果の認められた(1)トンネル覆工厚,(2)まくらぎ重量,(3)防振パッドのバネ定数の3つを選定した. 最適設計は遺伝的アルゴリズム(GA)に基づき構成した.なお,例えばトンネル覆工厚を増すと防振性能を向上させることができるが,一方では建設費用の増大を伴う結果となる.したがって,各目的関数間にトレードオフの関係が存在する.このようないわゆるパレート最適解は目的関数空間内に埋め込まれた曲面により与えられる.この曲面の探索にはGAが適しており,そのため本研究ではGA(多目的GA)により最適化手法を構築した. 加速度振動レベルは上述の三次元振動解析に基づき評価する.ただし,GAでは上記3つの設計変数の様々な値の組み合わせ(個体)毎に振動解析を実施する必要がある.しかし,1ケースの振動解析の実行には数日を要する.したがってこの振動解析を極めて多数の個体に対して逐次実行するのは事実上不可能である.そこで,本研究ではニューラルネットワークにより設計変数値と振動加速度レベルとの関係を事前に学習させ,その結果を直接解析の代わりに用いた. 具体例への適用を通し,構築した手法の妥当性を確認した.また,パレート面の分布特性や,幾つかの代表的なパレート解の設計条件について調べた.
|
Research Products
(2 results)