2001 Fiscal Year Annual Research Report
早期被害把握のための地盤震動分布の効率的推定法に関する研究
Project/Area Number |
13650525
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
野田 茂 香川大学, 工学部, 教授 (80135532)
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Keywords | リアルタイム地震防災 / 早期被害把握 / 地震動分布 / 空間情報処理 / 漸化型推定法 / Kriging |
Research Abstract |
1)全国の強震記録を収集し,最大地動(最大加速度,最大速度,最大変位,SI値)の確率分布を推定するとともに,距離減衰式,2地点間の相関特性の算定,特性値間の要因分析を行った. 2)1)の結果から最大地動が対数正規分布に従うことを確認した.さらに空間補間問題における対数正規Kriging法と条件付確率密度関数(CPDF)法の等価性を調べた.複数地点で観測値が与えられた条件付対数正規確率場において,不偏性・最小誤差分散規範に基づくKriging法とCPDF法の適用から,任意地点における最大地動の最適推定値(条件付平均値),推定誤差分散,条件付分散の相互関係を分析した. 3)空間補間の対象領域をある面積を有するブロックに分割し,有限地点における最大地動を基にして未観測ブロックにおける最大地動の空間分布を推定するBlock Kriging法を考えた.この方法は不偏性・最小誤差分散に基づく考え方によるものである.これを簡単な例題に適用し,上記2)の手法による点推定の結果と比較しながら,ブロックの大きさが推定結果に及ぼす影響を分析した.これには多重積分,非線形解の算定を必要とし,計算に長時間を要するので,高機能性・安定計算・高速計算に適したワークステーション一式を新たに購入した. 4)最大地動の空間分布を精度よく求めるためには,単一物理量を用いたKrigingではなく,複数の異なる観測情報を活かしたCokrigingを用いる方がよい.そこで場の特性の事前情報の違い(最大地動の平均面が既知か未知か)によって二つの異なる推定法(Simple Cokriging, Universal Cokriging)を展開し,単一物理量の推定法と比較して,Cokriging法の有効性を調べた.
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