2003 Fiscal Year Annual Research Report
海洋および内陸型地震の震源域における長大構造物の応答特性の評価とその予測法
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13650527
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
原田 隆典 宮崎大学, 工学部, 教授 (70136802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 啓介 宮崎大学, 工学部, 助教授 (60219889)
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Keywords | 震源断層 / 地震波伝播 / 連続高架橋の地震時挙動 / 津波シミュレーション / 震源域の地震動 / ブシネスク方程式 / パイプライン / 津波危険度 |
Research Abstract |
研究代表者が開発した、運動学的断層モデルから発生した地震波が地盤中を伝播し地表面に到達するという地震波発生・伝播の物理過程を剛性マトリックスによって定式化する方法の計算プログラムの改良を行い、断層による地盤の永久変位の計算精度を改善するとともに、計算速度の改善を行った。 不整形地盤に対しても震源断層近傍の地震動が計算できるように、境界要素法による計算方法に部分解析法の考え方を導入し、境界要素法の弱点である計算機容量と計算速度を改良する方法を考案した。 断層近傍に典型的な都市高速道路の連続高架橋とパイプラインを想定し、3次元非線形応答解析を実施し、その応答挙動を調べた。本年度は、断層に平行なケースや横断するケース、回転地震動の影響を調べた。その結果、断層を横断する連続高架橋とパイプラインにおいても、断層上に表層地盤が存在する場合(断層が地表に現れない場合)には、応答を崩壊限度内に抑えることが可能であるが、断層が地表に現れるような場合には、断層を横断するケースで、応答は崩壊限度を大きく超え、特に、連続高架橋の橋脚に大きなねじりモーメントが発生することを示した。 長波理論に基づく津波シミュレーションコードの改善を行い、日向灘地震(1968年)、南海地震(1946年)による津波高記録と計算結果を比較し、計算精度の妥当性を確認した。また、日向灘地震については、沿岸構造物への津波の波力を計算するプログラムを開発した。試算例では、波力と地震力を比べると、波力は1/10程度と見積もられる結果であったが、条件を変えた試算例も実施する必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 原田隆典, 王宏沢, 野中哲也, 山下典彦: "横ずれ断層を横断する連続高架橋の応答挙動解析"応用力学論文集. Vol.6. 701-711 (2003)
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[Publications] 野中哲也, 原田隆典, 岩村真樹, 王宏沢: "観測地震波を用いたトラス橋の実挙動の再現および大地震時挙動の予測"応用力学論文集. Vol.6. 665-674 (2003)
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[Publications] 原田隆典, 岡田洋輔, 王宏沢, 小林正樹: "境界要素法に部分解析法を用いた震源断層一不整形地盤系の効率的地震動シミュレーション"地震工学論文集 土木学会. Vol.27(CD-R0M). Paper No.72 (2003)
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[Publications] Murakami, K., Irie, I.: "Study on tsunami disaster prevention along Hyuganada Coast"Proc.of 13^<th> Offshore and Polar Engineering Conference. Vol.3 2003(CD-ROM). 884-890 (2003)
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[Publications] 原田隆典, 王宏沢, 野中哲也, 山下典彦: "横ずれ断層を横断する連続高架橋の応答挙動"地震工学論文集 土木学会. Vol.27(CD-ROM). Paper No.71 (2003)