2002 Fiscal Year Annual Research Report
複合材料から成る多層面構造の衝撃応答特性に関する解析的研究
Project/Area Number |
13650529
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小林 治俊 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40047395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角掛 久雄 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90326249)
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Keywords | 多層構造 / 異方性 / 平板 / 円筒シェル / 衝撃応答 / 波動伝播 / 固有関数展開法 / 複合材料 |
Research Abstract |
本研究は複合構造としての平板および円筒シェルの応力波伝播特性およびその耐衝撃特性を弾性範囲において究明するために行った.以下に研究成果を記す. (1)異方性矩形厚板の衝撃応答解析:面内方向が異方軸である横等方性矩形厚板の弾性衝撃応答解析を固有関数展開法により行い,衝撃応答解を振動モード関数からなる級数解として表現した.数値解析は等方面と異方面での縦弾性係数比のみを異方性パラメーターとして実行し,変位応答では縦弾性係数比が大きくなるほど大きな値を示し,軸方向応力(曲げ応力)は逆に小さな応答値となった.また,上記の動弾性論解とは別にせん断変形を考慮した異方性板の解析も併せて行い,両者の結果を比較した. (2)多層矩形板の衝撃応答解析:異方性多層板の固有値解析がうまく行かなかった.その原因は不明であるが,他方,異方性板の基礎となる各層が等方性からなる3層厚板(サンドイッチ板)を対象に自由振動・衝撃応答解析の定式化を行い,固有値スペクトルを求め,基礎的データーを求めることが出来た. (3)異方性円筒シェルの衝撃応答解析:軸方向が異方軸である横等方性円筒シェルの弾性衝撃応答解析を固有関数展開法により行い,衝撃応答解を振動モード関数からなる級数解として表現した.数値解析は等方面と異方面での縦弾性係数比のみを異方性パラメーターとして実行し,変位および周方向応力の応答では縦弾性係数比が大きくなるほど大きな値を示すが,軸方向応力(曲げ応力)は先の矩形板の場合と同様に逆に小さな応答値となった. (4)一般異方性円筒シェルの解析法:一般異方性円筒シェルの解析を行える変位関数が未だに見つかっていないので,これを解析的に解析するための近似手法を導入した.すなわち,半径方向の座標をシェル厚の中心からの局所座標に変換することにより,つり合いの連立偏微分方程式を常数係数のものに近似することによって近似解析解を得,それを用いた固有値解析により高精度の解を見出した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小林冶俊, 荒木秀樹: "横等方性円筒シェルの衝撃応答について"構造工学論文集,土木学会. Vol.47A. 1727-1734 (2001)
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[Publications] Tsunokake, H., Kobayashi, H., Sukata, D.: "Elastodynamic response of a transversely isotropic, thick rectangular plate"Proceedings of 4 th Asia-Pacific Conference on Shock & Impact Loads on Structures. 515-520 (2001)
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[Publications] 角掛久雄, 須方大介, 小林冶俊: "異方性平板の波動伝播解析"構造物の衝撃問題に関するシンポジウム論文集,土木学会. Vol.6. 55-60 (2002)