Research Abstract |
2次元粒状体積層体の圧縮およびせん断試験のシミュレーションに先立ち,積層体を構成する粒子形状が力学特性に及ぼす影響について検討を加えた.通常,個別要素法は円形粒子を用いて行われることが多い.この結果,積層体の密度が極端に高くなり,粒子間の間隙比が低くなり,せん断時には体積膨張傾向を示すことになる.このような挙動は,実際の地盤材料における砂や租粒材料の挙動と対応しており,粘土の挙動には対応していない.粒子形状は,ひとつの円形粒子に対して,内部に三角形,四角形,六角形状に円形粒子を発生させ,それらを互いに剛結することにより表現することにした.その結果,低い拘束圧下における間隙比はあまり変わらないものの,せん断時の挙動に関しては,三角形粒子の場合,体積圧縮を生じることがわかった.個別用法による数値実験結果を実材料における実験結果と対応させ,現在得られている理論の妥当性を検証することが,本研究の目的のひとつであるが,三角形粒子を用いることにより,その検討が可能であることが示された.粒子形状が粒状材料の力学特性に与える影響に関しては,その評価指標も含めて,現在,明らかにされていない.本研究においては,三角形,四角形・六角形粒子中の,配置粒子間の粒子間距離を変化させることにより,粒子の凹凸係数を変化させ・その力学挙動に与える影響に関しても検討を加えた.その結果,凹凸係数とせん断係数の関係は,粒子形状ごとに異なる傾向を示すことが明らかとなった.この結果は,粒状材料のせんだん強度が,凹凸係数だけではなく,さらに他の要因の影響も受けることを示している.その影響要因として粒子表面の租度に着目している.次年度は三角形配置粒子の配置粒子数を多くすることにより,租度の変化を表現することにより,さらに検討を加える予定である.
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