2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650541
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加藤 正司 神戸大学, 都市安全研究センター, 助教授 (10204471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 克之 神戸大学, 工学部・建設学科, 助手 (30304132)
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Keywords | 粒状材料 / 粒子間付着力 / 構成モデル / 個別要素法 / せん断 / 変形特性 / 強度特性 / 破壊基準 |
Research Abstract |
粒状材料が破壊時に発揮する粘着力は、粒子間付着力を有する粒子の集合体のマクロな挙動より決定されるものである。本研究ではこの粘着力の根本的な原因である粒子レベルでの粒子間付着力に着目して、そのマクロな挙動への影響を明らかにし、さらに、拡張された構成モデルに結びつく現象を個別要素法に基づく数値実験により明らかにすることを目的とした。このため、粒子間付着力を導入した2次元および3次元個別要素法解析(DEM)を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。 3次元DEM解析において粒子間付着力を増加すると、ピーク強度に基づく内部摩擦角および粘着力は増加する傾向を示した。これは、従来サクション一定での不飽和土の三軸圧縮試験結果において得られている傾向と一致している。 2次元DEM解析において粒子間付着力を増加させると降伏線は拡大することが分かった。しかし、拡大の傾向がどのような理論に拠るかは明確でなかった。 3次元DEM解析により得られたπ面上におけるピーク強度点は、Lade規準に一致する傾向を示した。このことは、砂のような粒状材料の破壊規準がLade規準に従う可能性を示している。また残留強度点は、SMP規準に一致する傾向を示した。このことは、正規粘土のようなせん断時に圧縮する材料の破壊規準がSMP規準に従う可能性を示している。 3次元DEM解析により得られたπ面上における等せん断ひずみ線は、Lade規準と一致する傾向を示した。このことは、砂のような粒状材料については破壊規準のみならず、変形挙動までもがLade規準に従うことを示している。 以上の結果は、通常、材料特性を調べるために地盤工学において行われている、三軸圧縮試験や3主応力試験結果からは明らかにはされなかった。これらの結果は、理想の粒状材料が備える材料特性と考えられ、土を含む地盤材料の力学特性を考える上で重要である。
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