2002 Fiscal Year Annual Research Report
浸透圧密試験による粘土フロックの力学性状に関する研究
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13650550
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤木 寛一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30150965)
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Keywords | 粘土 / 浸透 / 圧密 / 地盤環境 |
Research Abstract |
現在,高含水比かつ細粒分を多く合む泥状の建設汚泥は,その性状から処理が困難であり再利用率は低い状態にある。その再利用率は平成7年度の6%から平成14年度では30%と大きく向上したものの,建設廃棄物全体の中でも依然として低い水準にある。再利用にあたり,その処理過程において最も量要となる脱水処理には多くの方法が用いられているが,新しい脱水方法として,浸透圧密を利用した脱水処理方法を考案した。 本実験では,実際の処理プラントに搬入された建設汚泥を用いて,浸透圧密試験を実施し,終了後の試料の含水比分布を求めることでその脱水性能を評価した。また,試料の細粒分含有率,コンシステンシーを変化させるために,汚泥にカオリン粘土と海成粘土をそれぞれ質量比で50,100,150%添加した。また,焼却飛灰を試料とした浸透圧密試験を行い,飛灰中に含まれている重金属について試験前後の試料および廃液中の重金属濃度をICP試験により調べることにより,その洗浄効果を確認した。 その結果を要約すると,下記のとおりである。 (1)脱水ケーキの脱水評価指標として相対含水比を用いると細粒分やファイネスナンパーによらず一定となるので適切である。 (2)脱水ケーキの相対含水比は圧密圧力を60kPaより大きくしても変化が小さいことから,今回の試料においては60kPaで十分であるといえる。 (3)圧密時間は試料によらず,圧密圧力を大きくすることで改善できるが,圧密時聞はファイネスナンバーに依存するところが大きく,また,試料の沈降性も大きく圧密時間に影響を与えることから,凝集剤等の添加により改善することが望ましいと思われる。 (4)飛灰を用いた浸透圧密の結果より,浸透圧密による洗浄効果が示されたが,元素によってはpHにより,溶出量が大きく変化するため,洗浄効果を上げるためには浸透させる水のpHを変化させることも必要となる。
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[Publications] H.Akagi, T.Ohwada, K.Kusunoki, H.Yamaguchi: "Dewatering a construction waste sludge and effect of washing using hydraulic consolidation"Proc. 13th ECSMGE. (未定). (2003)
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[Publications] 山口洋志, 赤木寛一, 大和田貴博, 楠謙吾: "浸透圧密を利用した建設発生汚泥の脱水処理について"第38回地盤工学研究発表会. (未定). (2003)
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[Publications] 和田貴博, 仁田知弘, 伊藤正浩, 赤木寛一: "浸透圧密を利用した建設汚泥の脱水処理について"土木学会第57回年次学術講演会. III-359. 717-718 (2002)