2002 Fiscal Year Annual Research Report
地殻変動を想定し高圧載荷と除荷作用を与えた場合の泥岩の強度・変形特性への影響
Project/Area Number |
13650551
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
前川 晴義 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60113031)
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Keywords | 地殻変動 / 泥岩 / セメンテーション / 応力履歴 / 年代効果 / 降伏 / 破壊基準 / 三軸試験 |
Research Abstract |
プレート境界にある地域の地盤特性は、地殻変動により大きな応力を受けることが予想される。本研究では、地殻変動を受けた泥岩地盤の力学特性を明らかにすることを目的にした。実験は、スラリー状にした泥岩試料にセメントを添加して供試体を作製し、これに地殻変動を想定した応力履歴を与えた。応力履歴の影響を調べるために、ここではセメンテーション作用のみを与えた供試体と応力履歴の時期を変えた供試体を作成した。今年度は、昨年度の実験結果を基に養生期間を5週間に絞り、打設から1日目、28日目にそれぞれ三軸セルに供試体をセットし、7日間を要して軸応力1.37MPa、側方応力0.69MPaを載荷した供試体を用いて、各種の三軸圧縮試験を実施した。 上記の方法で作製した3種類の供試体の力学特性から以下のことが明らかになった。応力履歴を与えた供試体の降伏曲面は、セメンテーション作用のみを与えたそれと比べて拡大しており、セメンテーションの発達後に応力履歴を与えた場合は、応力条件に依存した異方性の形状であった。また、セメンテーションの発達前に応力履歴を与えた場合の降伏曲面は、セメンテーションの発達後に応力履歴を与えた結果に対して、おおむね相似形に拡大しており、応力履歴はセメンテーションの発達後も影響を及ぼしていることが明らかになった。 セメンテーションの発達前に応力履歴を与えた場合の過圧密領域は、セメンテーションの発達後に応力履歴を与えたそれに比べて、わずかに拡大の傾向を示していたが、明確な相違は確認できなかった。また、3種類の供試体の破壊基準は、応力履歴に関係なくおおむね近似していた。 本研究を通して、泥岩地盤を設計や施工の対象にする際には、地質年代や地殻変動など地盤環境の情報の必要性が明確になった。
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Research Products
(1 results)