2001 Fiscal Year Annual Research Report
繰り返しサクション負荷時のスレーキング特性に関する研究
Project/Area Number |
13650553
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
杉井 俊夫 中部大学, 工学部, 助教授 (90196709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80135326)
|
Keywords | サクション / 水分特性曲線 / スレーキング / 砕屑現象 / 岩石 / サイクロメータ |
Research Abstract |
岩の乾湿繰り返しによる砕屑化や湿潤によるスレーキングなど岩盤の風化速度の評価や土石流のメカニズムの解明に岩の保水性が強く関わると考えられ,岩盤斜面に関する安定性評価において重要となる.しかし,土を対象とした水分特性曲線(サクションと水分量の関係)の測定例に比べ,岩を対象とした水分特性曲線の測定例は非常に少ない.さらに.岩は,土に比べて間隙が小さくサクションが高いと考えられるため,高いサクションを測定できる方法が必要となる.これまでに岩のサクション計測については雨宮らが,サイクロメーター法を用いて砂岩のサクションの計測を試みているが,水分量に関しては岩の非定常浸透流による数値解析結果から推定しているもので,間接的に導かれた保水性であった.そこで,著者らは雨宮らの実験結果と比較検討をも含めて砂岩を対象とした岩の保水性試験を試みた.本試験法は後述するように雨宮らと同様に加圧法とサイクロメーター法を用いるが含水比を直接計測する方法を提案しており,得られた保水性試験の結果から砂岩の乾燥(排水)過程でのvan Genuchtenモデルのパラメータを求めている. サイクロメーター法,加圧法を用いて砂岩のサクションおよび水分量計測を行った結果,以下のことが得られた. 1)実験で試みたサイクロメーター法は,サイクロメーターと岩との密閉部分をテープで行うため,測定後すぐ岩の状態を測定するのに適しており,供試体を傷めることがない. 2)パラフィン法を用いた岩の体積と密度試験から求めた砂岩の真の密度から,飽和時の含水比を求めたところ,2日間浸漬すれば飽和になること確認した. 3)砂岩の空気浸入値は高く2.7kPa(pF3.4)程で,水分特性曲線を求めるには,加圧法,サイクロメーター方法の併用による方法が適していることがわかった. 4)雨宮らの砂岩の結果と比較した結果,サクション値の範囲はほぼ同じであるが,水分量の違いが大きいことが得られた,供試体の違いや水分計測法の違いによるものと考えられた. 5)砂岩の乾燥時の高飽和から低飽和域まで表現できるVGモデルパラメータを求めることができた. 6)提案する砂岩のサクションと含水比を計測する方法は十分に実用化できると判断された.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 杉井俊夫, 木村努, 小野充: "岩のサクション計測と砂岩の乾燥過程における保水性評価"総合工学. 第14巻. 93-100 (2002)
-
[Publications] 杉井俊夫, 木村努: "岩の保水性試験の試み"土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 261-262 (2002)
-
[Publications] T.Sato, T.Tsunekawa, M.Chatai, J.Kojima, T.Ogasawara: "Solid-liquid rate of batch leaching test for soil adsorbing copper"Proc. of the 10^<th> Pacific Basi Conf. on Hazardous Waste. 367-372 (2001)
-
[Publications] 棚橋秀行, 佐藤 健: "油の侵入・残留飽和度に関する室内カラム実験"地下水技術. 43巻2号. 44-50 (2001)
-
[Publications] 佐藤 健: "濃尾平野周辺の温泉事情"土と岩. 50巻. 51-54 (2002)