2003 Fiscal Year Annual Research Report
酸性発生土の固化処理を目的とした貝殻焼成石灰の利用法
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13650554
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 幹雄 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (30175666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 博昭 大分工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (50187275)
奥村 充司 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (70177187)
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Keywords | 酸性硫酸塩土 / 牡蠣殻 / 安定処理 / 水素イオン濃度指数 / 含水比 / 締固め曲線 / 路床土支持力比 / 一軸圧縮強さ |
Research Abstract |
1.粉砕した牡蠣殻(径2〜0.85mm,0.85〜0.25mm,0.25-0mmの3種)を酸性硫酸塩土(pH≒3)に混ぜてから突固めるまでの時間間隔が異なっても,締固め曲線の形状および最適含水比,最大乾燥密度はほとんど変わらないことがわかった.同様に,殻の径が締固め特性におよぼす影響も認められなかった. 2.酸性硫酸塩土単体に工業用消石灰とセメント系固化材とを個別に添加したときのCBRは前者の安定材を用いる方が大きくなるものの,土に粉砕殻を混入すると安定材の種類にかかわらずCBRはほぼ同じ大きさとなることが判明した. 3.化学的な実験において,黄鉄鉱(パイライト)含有量が酸性硫酸塩土の潜在的酸化ポテンシャルを推定する因子となり,また,間隙水の硫酸イオンが土のpHを決定する因子となることが確かめられた. 4.生化学的な実験において,滅菌試料と非滅菌試料のpH,硫酸イオンの濃度変化を比較したところ,黄鉄鉱の酸化過程には硫黄酸化菌よりも鉄酸化菌の方が深い関連をもっていること,さらに,このような生化学的な酸化を早期に完了させるための最適pHは2.5〜3.5であることが明らかとなった. 5.ボーリングコアの土質試験や簡易動的コーン貫入試験の結果から判断して,掘削などによって露出し,酸化の進行する切土斜面は土粒子間の固結力が低下することで崩壊を生じる恐れがあり,勾配緩和の策を講じるとともに牡蠣殻由来の炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを散布,混合して中和を図る必要がある.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Mitsushi OKUMURA 他2名: "FUNDAMENTAL STUDY ON UTILITY OF CRUSHED OYSTER SHELL AS MATERIALS FOR SHALLOW SOIL IMPROVEMENT"International Symposia on Materials Science for 21st Century, Symposium F : Recent Developments of Ground Improvement. 29-32 (2001)
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[Publications] 佐野博昭 他4名: "積算温度方式を導入した土の酸性移行速度の評価手法に関する研究"土木学会論文集. 第687号/III-56. 95-105 (2001)
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[Publications] 山田幹雄 他4名: "牡蠣殻片の道路路床構築材料としての適用性に関する基礎的研究"土木学会論文集. 第714号/VI-56. 179-190 (2002)
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[Publications] 奥村充司 他3名: "酸性堆積軟岩の風化過程における化学的特性"日本材料学会・第5回地盤改良シンポジウム論文集. 89-92 (2002)
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[Publications] 山田幹雄 他4名: "牡蠣殻由来消石灰および破砕殻を混ぜ合わせた有機質粘土の強度特性"日本材料学会・第5回地盤改良シンポジウム論文集. 181-186 (2002)
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[Publications] 山田幹雄 他4名: "牡蠣殻片を混入して構築した模擬路床の固化性状"日本材料学会・第5回地盤改良シンポジウム論文集. 187-190 (2002)
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[Publications] 山田幹雄 他3名: "牡蠣殻片混入路床の試験施工と舗装のたわみ性状"材料. 第53巻・第1号. 25-28 (2004)
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[Publications] 奥村充司 他3名: "酸性堆積軟岩の風化過程における化学的・生化学的特性"材料. 第53巻・第1号. 41-44 (2004)