2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650560
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
堺 茂樹 岩手大学, 工学部, 教授 (80091643)
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Keywords | 孤立波 / 弾性浮体 / 分裂 / 模型実験 / 数値解析 |
Research Abstract |
研究代表者及び分担者は、以前より弾性浮体下での孤立波が分裂することを見出しており、これは海底地形が変化する場合に見られるソリトン分裂とは異なることを指摘した。特に、ソリトン分裂では孤立波の背後に分裂波が発生するのに対し、浮体下の孤立波の実験では前方に分裂している。分裂は進行と共に顕著となるため、水理模型実験では水路の長さが十分でない場合もあることから、本研究期間の前半は数値計算法の開発を行った。本計算手法は、流体運動の計算には境界要素法を、浮体の弾性変形の計算には有限要素法を用い、浮体と流体の界面において両計算による変位及び圧力を一致させる有限要素・境界要素の接続解法である。従来の弾性浮体と流体の連成運動に関する数値計算は周波数領域での計算であったのに対し、本計算手法は一次元解析ではあるが、時間領域解析としてははじめてのものである。また、実験結果との比較により、規則波、不規則波、孤立波のいずれにおいても精度良く計算できることが検証された。この手法を用いた計算により、浮体下の分裂には、水理実験で確認された前方分裂の他に、後方分裂及び前後に分裂する場合の3種類が存在し、それぞれの発生限界は主に浮体の剛性及び水深に依存することが明らかとなった。さらに、分裂のメカニズムを検討するため、浮体の変形と浮体に作用する流体力の計測を行った。実測された弾性変形に見合う水圧を計算し、これと実測水圧を比較すると、実測水圧はいくぶん波形を先行することが分かった。浮体の変形形状が完全な孤立波であれば、孤立波の裾部の圧力はわずかに正であるが、孤立波の進行と共に裾部の圧力が増大し、ここに分裂波が発生する。裾部に発生した分裂波が流体運動と連成すると、分裂波の前方にあらたに正の圧力が発生し、次の分裂波の発生をもたらすことが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Liu, X.D., S.Sakai: "Time Domain Analysis on the Dynamic Response of a Flexible Floating Structure to Waves"Journal of Engineering Mechanics, ASCE. Vol.128 No.1. 48-56 (2002)
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[Publications] 劉 暁東, 堺 茂樹, 今野弘雄: "大型弾性浮体下での孤立波の伝播特性"日本造船学会論文集. 第192号. 339-344 (2002)
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[Publications] 堺 茂樹, 牧野周作: "津波による超大型浮体の係留力について"海岸工学論文集. 第49巻. 736-740 (2002)
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[Publications] 今野弘雄, 牧野周作, 劉 曉東, 堺 茂樹: "孤立波による浮体の弾性変形と浮体に作用する波圧に関する研究"平成13年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. 214-215 (2002)
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[Publications] 浅沼陽介, 今野弘雄, 劉 曉東, 堺 茂樹: "弾性浮体下での孤立波分裂に関する研究"平成14年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. 318-319 (2003)