2001 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
13650566
|
|---|
| Research Institution | Gifu University |
|---|
Principal Investigator |
藤田 裕一郎 岐阜大学, 工学部, 教授 (90027285)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高濱 淳一郎 岐阜大学, 工学部, 助手 (40303507)
|
|---|
| Keywords | 河川水難事故 / 川の安全 / 水難事故 / 現地調査 / レクリエーション / 親水機能 / 水理観測 / 流れの数値計算 |
|---|
| Research Abstract |
きれいな水が豊かに流れる河川の自然を楽しむ人々が増加している一方,水難犠牲者は後を絶たない。これは,そのような場所が何故,また,どのように危険であるのかについて物理的な背景が必ずしも明確にはなっていないこととも無縁ではない。そこで,本研究では,岐阜県下を対象に河川における水難危険個所を抽出してその類型化を行い,岐阜大学近辺に現地調査地点を選定して,現地観測と数値シミュレーションを実施し,水理特性と危険性との関係を考察して事故の防止に役立つ知見を得るつもりである。今年度の実績の概要は以下の通りである。
(1)水難事故に関する資料の収集・分析と観測調査地点の選定
過去3年について,河川の水難事故例を新聞記事や警察白書から集め,事故当時の状況を聞き込み調査して事故地点の特徴を調べた。そこから事故状況の共通性を検討したが,河道状況の水理学的な類型化には至らなかった。また,現地を踏査して河道の特徴を確認し,岐阜大学近辺の河川事故の多発個所として関市小瀬の長良川河道を調査対象地点に選定した。
(2)現地観測の実施
綿密な測量と水理観測を実施して河道形状の特徴や流れの実態を定量化する第一歩として,本年度は河道形状の測量を上記の関市の長良川河道で実施した。この測量では,現有の光波測距儀と観測補助ボートに設置した魚群探知機を利用して,河道に突き出た岩場近辺に形成されている水深約10mの渕を重点に周辺の河床形状を明らかにした。
(3)数値シミュレーションの実施と適用性の考察について
現地観測の困難な小規模から中規模の増水時について流れの概況を考察するために,境界形状の不規則性に基因する渦の発生をよく予測できる既開発の2次元浅水流モデルによって,上述の長良川河道を対象に数値シミュレーションを実施し,妥当と見られる結果を得た。その特性の詳細な検討と考察は次年度に向けた課題としている。
|
