2001 Fiscal Year Annual Research Report
空間計画におけるグローバル・ローカル問題に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13650577
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安藤 朝夫 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80159524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 忠宏 弘前大学, 人文学部, 講師 (70312478)
福山 敬 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30273882)
佐々木 公明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10007148)
芥川 一則 福島工業高等専門学校, 建設環境工学科, 助手 (40310990)
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Keywords | 1次元都市モデル / 公共施設立地 / NIMBY(迷惑)施設 / 都市経済学 / 都市財政 / 一部行政事務組合 |
Research Abstract |
本研究は空間計画の文脈で,政策のグローバルな効果とローカルな効果が相反する問題を包括的に研究しようとするものである。具体的には,交通条件の変化が地域の均衡人口分布に与える影響と,局所的には負の便益をもたらすような公共施設の社会的に効率的な立地パターンの2つの問題を取り上げて分析する。この2つの問題はかなり異質に見えるが,理論的にばあらかじめ幾つかの領域に分割された有界な空間(単純には線分)において,各領域の中心位置を所与とするモデルを用いて分析可能である。 本年度は後者の公共施設(いわゆるNIMBY施設)立地に関する文献サーベイを行い,基本的な理論モデルの定式化と均衡条件の導出を行った。公共施設(サービス)の空間的立地に関する既存論文は,僅かの例外を除いて図書館に代表される局所的にも正の便益をもたらす施設に関するものである。それらは空間を離散的に扱うものが多いが,連続的に扱うものでもapill-overが階段状である場合が多い。NIMBY施設に関する論文には核廃棄物処分場の立地補償に関するものが多いが、それらでは空間が考慮されていない。本研究では,1次元軸上に隣接する2都市のゴミ処理施設の立地を念頭にモデルを定式化した。負の便益は効用関数に施設との近接性を陽に含めることで考慮できる。すなわち施設へ近接するほど効用は低下するが,遠隔地では運搬費用の増大を通じて税金の上昇を招く。さらに2都市が施設を個別供給する場合と,共同供給する場合の立地の差異についても検討している。単純化したモデルでも解析は相当複雑であり,分析の多くを数値解析に頼ることになるが,年度内にはシミュレーションを終え、第2年度に結果を投稿できる見込みである。本年度は他に,理論モデルの結果を実証するデータを得るために,福島県、宮城県における処理系施設の設置状況に関する調査も実施した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 安藤朝夫・森川 謙: "東京都市圏における地価の時空間自己相関分析"応用地域学研究. no.6. 89-98 (2001)
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[Publications] 佐々木公明・横井・張: "地域公共施設の最適規模:費用関数の分析"東北都市学会研究年報. no.3. 18-30 (2001)
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[Publications] 佐々木公明・文 世一: "The Economic System of Small-to-Medium Sized Regions in Japan"Johansson他編"Theories of Endogenous Regional Growth". (2001)
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[Publications] 福山敬・小林・松島: "Search, Communication and coordination Failure"Proc. of Int'l Sympo. on Entrepreneurship, Firm Growth and Regional Development in the New Economic Geography. 293-320 (2001)