2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650618
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上杉 英樹 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00009268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 岳夫 千葉大学, 工学部, 助手 (20334170)
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Keywords | 火災 / コンクリート / 高強度コンクリート / 耐火 / 応力-ひずみ曲線 / 熱応力解析 |
Research Abstract |
本研究は、高温時における高強度コンクリートの応力-ひずみ関係に関する基礎データを蓄積し、得られた基礎データに基づき部材および骨組の解析を行い、火災時おける高強度鉄筋コンクリート構造物の安全性の検討に資せんとするものである。 昨年度まででは、高強度コンクリートの高温圧縮実験を実施して、常温〜700℃における応力-ひずみ曲線を蓄積し、また昇温・降温時に生じる熱膨張ひずみ・全体ひずみに関するデータを蓄積した。 本年度は、高強度コンクリートの高温クリープ実験を実施した。これより、高強度コンクリートの常温〜700℃におけるクリープひずみと時間の関係が得られた。同材料で3種類の調合(水結合材比18%・24%・35%)でクリープ実験を実施した結果、調合の違いによるクリープひずみへの影響は小さいことが明らかになった。また、既往に行った普通コンクリートの実験と比較して、高強度コンクリートの方が若干クリープひずみは大きくなることが確認された。定常温度圧縮実験・全体ひずみ実験(平成13・14年度実施)とクリープ実験(平成15年度実施)データを整理し、高温時における高強度コンクリートの機械的特性について近似式を作成した。また、この近似式を熱応力変形解析プログラムのコンクリートモデルに組み込み、高強度RC柱の耐火試験について熱応力変形解析を行い、実験値と解析値の比較を試みた。既往に提案されているEurocode等のコンクリートモデルに対して、本実験より得られた高強度コンクリートモデルで解析した結果は、実験値によく一致した。 近年、高強度コンクリートを用いた高層RC集合住宅が多く建設されている。本研究では、これらの構造物について耐火設計を行う際に必要となる、高強度コンクリートの高温時データを蓄積し、高強度コンクリートの高温時機械的特性に関するモデル式を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 豊田康二, 上杉英樹, 平島岳夫 他: "火災加熱を受ける超高強度コンクリートの力学的特性に関する実験的研究(その2.一定応力下において温度変化を伴う高温圧縮実験)"構造工学論文集. Vol.50B. (2004)
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[Publications] 豊田康二, 上杉英樹, 平島岳夫 他: "火災加熱を受ける超高強度コンクリートの力学的特性に関する実験的研究(その1.定常温度下における高温圧縮実験)"構造工学論文集. Vol.49B. 367-374 (2003)
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[Publications] 篠原幸一, 上杉英樹, 平島岳夫 他: "高強度コンクリートの高温時における定常クリープひずみに関する実験的研究"日本建築学会関東支部2003年度研究発表会 研究報告集I. 425-428 (2004)
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[Publications] 山下平祐, 上杉英樹, 平島岳夫 他: "高強度コンクリートの過渡ひずみに関する実験的研究"日本建築学会関東支部2003年度研究発表会 研究報告集I. 429-432 (2004)
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[Publications] 清峰俊太郎, 上杉英樹, 平島岳夫 他: "標準加熱を受けるコンクリート部材の耐火性に関する解析的研究"日本建築学会関東支部2003年度研究発表会 研究報告集I. 433-437 (2004)