2002 Fiscal Year Annual Research Report
コールドジョイントの発生メカニズムと構造の解明及びその性能改善技術
Project/Area Number |
13650619
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 享二 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (40016829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 博之 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (40313374)
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Keywords | コンクリート / モルタル / コールドジョイント / 打ち継ぎ / 透過性 / 水密性 / 細孔構造 / 補修 |
Research Abstract |
本年度はコンクリート、モルタルのコールドジョイント発生に影響を与える要因および定量的評価、ゴールドジョイント部の水密性改善方法について検討した。 1.前年度作成した温度と打ち足し時間を変数とする透過性予測式を用いて、夏季、冬季の屋外環境での試験体温度を用い、透過係数の計算を行った。実験値と計算値は良い整合を示し、コールドジョイント発生におよぼす主要因を同定するとともに、実環境での打ち足し部分の透過性を定量的に予測する手法を確立した。 2.さらにこのことを筆者等が開発した、29.8℃に変態点をもつGaを圧入して空隙構造を観測する手法によって、打ち足し部が環境条件によりコールドジョイント化してゆく過程を、初めて可視化し示すことができた。 3.施工現場での利便性を考え、モルタル打ち足し時のコールドジョイント発生の判断材料としてのプロクター貫入抵抗値適用の可能性を検討したが、貫入抵抗値と透過性との間にはそれほどの相関は見られず、その可能性は少ないことを示した。 4.コールドジョイント改善材料として、ケイフッ化マグネシウム、ケイ酸カルシウムを主成分とする注入材料を3種作成し、低圧注入法により打ち足し部に含浸させ、その部位の水密性改善効果を検討した。いずれも接合部に沿って反応生成物が生じており、これらが水密性改善に有効であることを実証した。またこのこともGa圧入法による観測によりその充填効果を確認した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Young-Joo SHIN, Kyoji TANAKA: "Permeability and Pore Structure of Placing Joint of Cement Mortar Produced in Casting"Proceedings of 9^<th> International Conference on Durability of Building Materials and Components. 9. 331-337 (2002)
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[Publications] 申英珠, 田中享二: "コンクリート壁体の打ち足し部の水密性改善材料に関する研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. A. 11-12 (2002)
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[Publications] 申英珠, 田中享二: "コンクリート壁体のセパレータ部の透水性と細孔構造"日本建築学会関東支部研究報告集. 73. 53-56 (2003)
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[Publications] 申英珠, 田中享二, 宮内博之: "施工時の温度・湿度環境がモルタルの打ち足し接続部の水密性に及ぼす影響"日本建築学会構造系論文報告集. 567. (2003)