2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650627
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 聖志 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50134028)
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Keywords | 繊維複合材料 / 大スパン構造 / 振動性状 |
Research Abstract |
本研究では,Eガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂で構成される連続引抜成形FRP材料の部材実験,並びにそれによって構成される大スパン構造の振動性状について以下の解析を行った。 (1)FRP形材の曲げ剛性試験と振動実験 Eガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂で作られた市販の連続引抜成形FRP形材を用い,その静的部材試験並びにインパクトハンマー動的加振実験を実施し,以下の有限要素解析に必要な材料定数を得た。また,材料強度は鋼材とほぼ同程度であるのに対し,縦弾性係数は1/9程度に低下することや,梁部材としての1次の固有振動数から逆算して得られる縦弾性係数は静的部材試験から求まるその値と良く一致することが確認できた。 (2)有限要素法解析 梁要素で定式化された有限要素解析を実施した。今年度は,最も基本的な大スパン構造として,一方向トラス構造形式並びに単層円筒形ラチス屋根構造について,次の項目について分析を行った。(a)静的線形応力解析を基に部材断面設計を行った。その結果,FRP材が鋼材に比して剛性・強度比が小さいことから,たわみ制限値や部材・全体座屈によって断面が決定される傾向にあることを明らかにした。(b)非減衰自由振動解析を行い,固有振動数と固有振動モードの特性を解明した。(c)強制振動に対する時刻歴減衰応答解析を行い,単層円筒形ラチス屋根では面外振動が卓越しやすいものの応力的には軽微であり耐震性は極めて高いことが確認できた。一方,一方向トラス梁の大スパン構造では,強制振動方向と直交する方向に大きな横振動が卓越し,歩道橋として使用する場合には,その使用性に多大な影響を与える可能性のあることを明らかにし,引続き更に検討を要する課題であることがわかった。
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