2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650627
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 聖志 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50134028)
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Keywords | 繊維複合材料 / 大スパン構造 / 振動性状 |
Research Abstract |
環境負荷低減に寄与する新しい長寿命型建設構造材料である繊維と樹脂の複合材料(FRP)で構成される大スパン構造の振動性状について,以下の点を明らかに検討した。 (1)屋根型円筒ラチスシェル構造としての地震応答性状 鋼材を使用した大スパン建築屋根構造では,屋根重量の増加から,建設施工時重機使用の大気環境負荷だけでなく地震荷重の増加から免震や制震等の高度なシステムが必要となり,それらの維持や保守が新たな問題となっている。一方,ガラスやカーボンなどの連続繊維と高分子樹脂で作られるFRP形材を構造材に利用する屋根構造システムは,上記のジレンマのブレークスルーになると期待できる。ここでは,耐震安全性の確認に必要な強地震時の振動性状を明らかにするため,梁要素で定式化された有限要素解析を用い,屋根型円筒ラチスシェル構造の時刻歴減衰応答解析を行った。結果として,水平地動入力時に鉛直振動成分が卓越しやすいものの,部材応力的には軽微であり,高い耐震性能を有することを明らかにした。 (2)剛接トラス連絡通路構造としての歩行時振動環境性能評価 近年,複合施設建築などで使用されるようなった単体の建物を有機的に繋ぐための連絡通路には,各々の建物の振動を拘束しないように,比較的剛性の小さな長大スパンの橋梁システムが採用される。ここでは,スパン30m級の連絡通路構造にFRP形材を利用した際の特性について検討した。その結果,歩行者の歩調と共振することが予想される1.5Hz〜2.3Hzの間に,横方向の振動が卓越するモードの固有振動数を有する可能性のあることと,歩行者が通路の側部を歩行する際に,振動環境性に支障があるとされる1.13cm/secを超える大きさの応答速度が,歩行方向と直行する横方向速度としで発生する可能性を明らかにした。
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