2001 Fiscal Year Annual Research Report
非構造壁の存在する鉄筋コンクリート造架構の構造性能評価法に関する研究
Project/Area Number |
13650641
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中野 克彦 東京理科大学, 工学部, 助手 (80188995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 育弘 東京理科大学, 工学部, 教授 (30138979)
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Keywords | 鉄筋コンクリート架構 / 非構造壁 / 剛性 / 耐力 / 破壊モード / 変形性能 / 壁厚 / せん断補強筋比 |
Research Abstract |
1.鉄筋コンクリート(RC)造の非構造壁(垂壁および腰壁)が存在する1層1スパンのRC造柱・梁架構の試験体を製作し、実験を行った。実験の目的は、曲げおよびせん断の破壊モードの違いによって生じる抵抗機構の変化、また、壁厚の変動によるコンクリートの圧壊状況の変化およびこれに伴う柱変形性能への影響を把握することである。 2.試験体は、柱断面240×240mm、梁断面800×600mm、柱高さ(内法スパン)1100mm、柱芯々距離2000mmである架構内に、一体打ちの垂壁・腰壁が存在する形状である。変動要因は、柱せん断補強筋比p_w(柱せん断耐力)、壁厚t(壁コンクリート圧壊強度)とクリアスパンh_0である。柱せん断補強筋比p_wは2水準、壁厚は2水準、クリアスパンは垂壁と腰壁の高さを変えることで2水準設定した。試験体総数は2体(p_wを変動)で、壁厚を左右で変えることで、各変動要因の組み合わせ、8パターンの実験データを得た。 3.実験結果より以下の知見を得た。 (1)せん断補強筋の増加に伴い、柱はせん断破壊から曲げ破壊へ破壊モードが移行し、壁板によるクリアスパンの変化を考慮したせん断補強によって、曲げ降伏先行型としての設計が可能となる。なお、曲げ降伏までは、柱および壁板の抵抗機構に著しい変化は生じない。 (2)曲げ降伏以降、壁厚の違いによって壁板コンクリート圧壊の有無が生じ、壁板が圧壊した場合、柱の変形性能は優れた性状となった。この性状は、壁高さ(クリアスパン)の異なる場合でも同様である。 4.平成14年度は、本実験結果と有限要素法解析を比較することにより、柱・梁・壁板の抵抗機構を明らかにし、壁板の効果を取り入れた架構の構造性能(剛性・耐力・破壊モード・変形性能等)の評価方法の構築および検証を行う予定である。
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