2003 Fiscal Year Annual Research Report
水平振動に対する要求性能レベルのわかりやすい表現に関する研究
Project/Area Number |
13650642
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
石川 孝重 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20151342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木 章江 文化女子大学, 造形学部, 講師 (00259706)
野田 千津子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (80270221)
平田 京子 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (70228782)
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Keywords | 水平振動 / 居住性能 / 性能表示 / 知覚閾 / 感覚評価 / 説明責任 / コミュニケーション / 性能設計 |
Research Abstract |
本年度は,当研究課題のまとめとして,知覚確率に基づいて提示した居住性能評価の指標をふまえ,ユーザーによりわかりやすく,実感できる表現として揺れ性能を説明するための資料を提案した。継続して実施したユーザーに対するヒアリング・アンケート調査の結果や専門家に対するヒアリングで聞かれた意見ををふまえ,揺れ性能の説明に用いる項目の種類や数,説明資料としてのプレゼンテーション方法などについて試行錯誤を繰り返して洗練した。すなわち,知覚閾および感覚評価における回答確率が,居住性能評価の対象となる加速度範囲でほぼ0〜100%に変動する項目を選択し,振動数ごとに各項目の回答確率を加速度最大値と対応させる。これによって揺れ性能レベルを段階的に評価し,ユーザーに身近な表現で示された性能レベルを専門家が設計指標としてくみ取れる資料を提示した。これらの結果は,日本建築学会から4月に刊行予定の「建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説」に反映されている。 これらの揺れ性能を位置づける上で,本年度は一般ユーザーを対象とした全国規模のアンケートを行い,これまでに行った調査の結果に加えて,ユーザーの住宅性能に対する意識を明らかにすることができた。また,ユーザー調査の新しい方法として作成を進めているインターネットによるコンテンツも,順次公開を進めている。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] 平田京子: "住宅づくりにおける工務店とユーザーとの対話のあり方-工務店を対象とした意識調査より-"日本家政学会第55回大会研究発表要旨集. 236 (2003)
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[Publications] 前田薫子: "水平振動感覚における個人差の類型化に関する分析"建築雑誌2001年度「研究選集11」. 118・1505. 075 (2003)
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[Publications] 平田京子: "耐震安全性レベルに対する社会的合意形成に関する調査-安全性レベルの決定と情報公開の関係に注目して-"日本建築学会大会学術講演梗概集(構造I). 3-4 (2003)
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[Publications] 柴田幸枝: "住宅性能に対する居住者の意識に関する研究-その1 既往調査の重視度合いに着目した分析-"日本建築学会大会学術講演梗概集(建築経済・住宅問題). 1199-1200 (2003)
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[Publications] 野沢亜子: "住宅性能に対する居住者の意識に関する研究-その2 住宅選定要素に着目した分析-"日本建築学会大会学術講演梗概集(建築経済・住宅問題). 1201-1202 (2003)
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[Publications] 野村由香利: "住宅性能に対する居住者の意識に関する研究-その3 首都圏在住30代既婚者に対するアンケート調査-"日本建築学会大会学術講演梗概集(建築経済・住宅問題). 1203-1204 (2003)
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[Publications] 飯泉知花: "住宅性能に対する居住者の意識に関する研究-その4 クロス集計による性能項目の分析-"日本建築学会大会学術講演梗概集(建築経済・住宅問題). 1205-1206 (2003)
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[Publications] 久木章江: "住宅性能に対する居住者の意識に関する研究-その5 居住者の視点から考える住宅性能表示項目のあり方-"日本建築学会大会学術講演梗概集(建築経済・住宅問題). 1207-1208 (2003)
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[Publications] 井上和永: "水平振動に対する居住性能評価曲線とその説明資料の提示-その1 体感と視覚による知覚閾に基づいた評価曲線-"日本建築学会大会学術講演梗概集(環境工学I). 299-300 (2003)
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[Publications] 石川孝重: "水平振動に対する居住性能評価曲線とその説明資料の提示-その2 ユーザーに対するわかりやすい説明資料の必要性-"日本建築学会大会学術講演梗概集(環境工学I). 301-302 (2003)
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[Publications] 野田千津子: "水平振動に対する居住性能評価曲線とその説明資料の提示-その3 説明資料を用いた性能説明と設計指標の設定-"日本建築学会大会学術講演梗概集(環境工学I). 302-303 (2003)
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[Publications] 石川孝重: "新しい環境振動の領域とそれに関わる課題-環境振動の未来を拓く研究と技術開発-"第7回 環境工学シンポジウム 環境工学の未来を拓く研究と技術開発. 11-14 (2004)
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[Publications] 石川孝重: "顔グラフによる揺れ性能のわかりやすい表現に関する一考察"日本女子大学紀要 家政学部. 51. 93-96 (2004)
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[Publications] 野田千津子: "知覚確率と心理評価に基づいた環境振動に対する性能評価とその説明資料"日本建築学会関東支部研究報告集(環境工学). 691-694 (2004)
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[Publications] 野沢亜子: "住宅性能に対する30歳代一般ユーザーの意識に関する研究-その1 首都圏の居住者に対する調査概要及び集計結果の分析-"日本建築学会関東支部研究報告集(建築経済・住宅問題). 337-340 (2004)
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[Publications] 久木章江: "住宅性能に対する30歳代一般ユーザーの意識に関する研究-その2 クロス集計および住宅性能項目のあり方に関する分析-"日本建築学会関東支部研究報告集(建築経済・住宅問題). 341-344 (2004)
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[Publications] 野田千津子: "安全を再び神話にしないために-建築の社会的責任とは-(優秀賞受賞)"第3回学生および若手の技術者・研究者の論文コンペ「新たな挑戦:建築への提言」. (予定). (2004)
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[Publications] 石川孝重: "建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説"日本建築学会(予定). 140 (2004)