2002 Fiscal Year Annual Research Report
東海地域で観測された地震動波形に基づく微動H/Vスペクトルの信頼性に関する研究
Project/Area Number |
13650646
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
今岡 克也 豊田工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (20193667)
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Keywords | 微動 / H / Vスペクトル / 東海地域 / 地盤卓越周期 / 増幅倍率 / 鳥取県西部地震 / 愛知県東部地震 / 新島地震 |
Research Abstract |
本研究の目的は、東海地震などが懸念されている東海地域を対象として、地震の観測地点で微動を測定し、微動波形と鳥取県西部地震などで観測された地震動波形のH/Vスペクトルを比較・検討することで、微動H/Vスペクトルの信頼性について考察するとともに、東海地域の地盤震動特性を把握することである。 平成14年度の実績は、愛知県・三重県・静岡県・岐阜県の地震観測地点に出向いて微動を測定するとともに、長野県南部を対象地域として、重点的に微動測定を実施した。その結果、諏訪湖を中心とした諏訪盆地はかなり揺れ易いことが判明し、その傾向は愛知県東部地震の観測地震波形とも良く対応することが分かった。 さらに、最終年度であるため、過去4年間で測定した東海地域の微動測定結果をまとめて、地盤震動特性について把握するとともに、鳥取県西部地震、愛知県東部地震や新島地震などで得られた地震動と微動のH/Vスペクトルを比較・検討し、それらのデータと結果を報告書にまとめた。以下に主な結果をまとめる。 (1)基盤と堆積層とのせん断波速度のコントラストが大きい地盤上では、地震動と微動のH/Vスペクトルとは、卓越周期や倍率などが概ね良く一致する場合が多い。 (2)地震の規模が小さいと、地震動のH/Vスペクトルには1秒以上の長い卓越周期は出現しにくい。 (3)一般に、H/Vスペクトルの倍率は、微動の場合より地震動の方が1.5倍程度大きい。 (4)東海地域の地盤震動特性は、濃尾平野の最深部上で卓越周期が4〜5秒と最も長く、その他の沖積平野や洪積盆地上でも周期が1〜2秒で、しかも大きな倍率で卓越する地域がある。 (5)微地形によって0.5秒以下の周期域では倍率が大きく変わることがあるため、地震防災や耐震設計・診断などで地盤の揺れ易さを評価する場合には、できるだけ細かな区域で行う必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 今岡 克也: "東南海地震の静岡県西部の被害分布と微動H/Vスペクトルに関する研究"日本建築学会学術講演梗概集. 構造II. 227-228 (2002)
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[Publications] 今岡克也, 小玉祐一, 安藤朋春: "制震金具を用いた木造住宅の耐震補強の有効性に関する研究"日本建築学会東海支部研究報告. 第41号. 277-280 (2003)
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[Publications] 今岡克也, 常盤明久, 長坂 勤: "制震金具の偏心のある木造住宅への適用性に関する研究"日本建築学会東海支部研究報告. 第41号. 281-284 (2003)