2003 Fiscal Year Annual Research Report
植生及び土壌の熱・水分・二酸化炭素収支モデルの作成
Project/Area Number |
13650651
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 久司 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教授 (80115922)
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Keywords | 植生 / 植栽 / 熱収支 / 水分収支 / 二酸化炭素収支 / 乱流モデル / 放射伝達モデル / 気孔コンダクタンスモデル |
Research Abstract |
(1)植生および土壌の熱・水分・二酸化炭素収支モデルの作成 植生の熱・水分・二酸化炭素収支モデルの作成には、次の3つのサブモデルが必要になる:即ち、(1)植栽内の乱流モデル、(2)植栽内放射伝達モデル、(3)気孔コンダクタンスモデル。 (1)の植栽内の乱流モデルに関しては、今回新たに乱流モデルを作成した。(2)の植栽内放射伝達モデルに関しては、Rossのモデルを採用した。Rossのモデルは、放射輝度を変数とする微積分方程式で表される。このモデルを用いて、3次元植栽内の放射分布をコンピュータで計算しようとすると、コンピュータ内で5次元の配列が必要になる。現時点では、この計算はコンピュータ能力を上回るため、Rossのモデルの近似解法を試みた。気体放射で用いられる拡散近似解法を、Rossのモデルに適用した。(3)の気孔コンダクタンスモデルに関しては、Collatzらのモデルを採用した。以上、3つのサブモデルから、植生の熱・水分・二酸化炭素収支モデルが構築できることを示した。 土壌内の熱・水分・二酸化炭素収支モデルの作成には、次の3つのサブモデルが必要になる:即ち、(4)根からの水分吸収モデル、(5)土壌内の熱・水分同時移動式、(6)土壌呼吸。 (4)と(5)のモデルは既に存在し、この2つのサブモデルを統合することにより、土壌内の熱・水分収支モデルを作成することが可能になった。しかし、今回は(6)の土壌呼吸のモデル化ができなかった。 (2)植栽葉郡内の熱・水分・二酸化炭素収支モデルの検証 上記、(1)〜(3)のサブモデルを統合することにより、植栽の地上部分の熱・水分・二酸化炭素収支モデルを作成することができた。このモデルを用いて、Naot and Mahrerの綿畑での測定データ(3日間の風速、気温、正味放射束密度)と比較を行った。このモデルからの計算値は測定データを正確に再現し、モデルの妥当性が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hiraoka, H.: "Modeling the Budgets of Heat, Water Vapor and Carbon Dioxide within a Tree"'Advances in Fluid Modeling and Turbulence Measurements' ed.by Wada, A.et al.. 727-734 (2002)
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[Publications] 平岡久司: "植栽内熱・水分収支モデルの検証"日本建築学会計画系論文集. 558. 31-36 (2002)
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[Publications] Hiraoka, H.: "Simulating the microclimate produced by a single tree"First International Workshop on Architectural and Urban Ambient Environment will be held on February 6-8, 2002 in Nantes, France. (CD-ROM). (2002)
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[Publications] Hiraoka, H.: "Modeling the Leipzig wind profile with a (κ-ε) model"Wind and Structure, An International Journal. 6. 469-480 (2001)
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[Publications] 平岡久司: "樹木の熱・水分・二酸化炭素収支のモデル化に関する考察"日本建築学会計画系論文集. 53-60 (2001)
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[Publications] Hiraoka, H.: "An investigation at the effect of environmental factors on the budgets of hear, water vapor, and carbon dioxide within a tree"3rd International Symposium on Advanced Energy Conversion Systems and Related Technologies, December 15-17, 2001, Nagoya, Japan. (CD-ROM). 718-724 (2001)