2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650662
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
佐野 千絵 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部・生物化学研究室, 室長 (40215885)
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Keywords | 博物館 / 室内環境 / 粉塵 / 化学物質 / カビ |
Research Abstract |
本研究は、大気中の微小な浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter)の文化財への影響を、主に化学的側面から検討し、総合的に博物館内浮遊粒子状物質に関する指針値策定のための評価法の公定化を目指すものである。本年度は、実態調査として主に垂直面に付着する粒子状物質と室内浮遊粒子状物質との相関について検討し、また今後の測定方法の改良のために、壁材の種類と付着量の相関について試験研究した。 1.付着粒子状物質と室内浮遊粉塵量との相関について 垂直面について、10cmピッチでコンタクトプレートを用いて粉塵を捕集し、光学顕微鏡で観察し、付着粉塵の粒径分布について検討した。また培養後のカビ・酵母等コロニー数をカウントし、生物被害を受ける可能性についても、同様に検討した。一般的に、付着量また付着粉塵粒径は、高さ方向に対して負の相関を持つが、結露地点や高湿度となっている面では付着量が増加し、また、活性の高い状態でカビ(胞子)が存在していることがわかった。 2.垂直壁面材の相違による付着量の増減について 壁面材の種類として、付着しやすいと予想される木材、クロス貼り、また付着しにくいと考えられるタイル壁、ポリエチレンテレフタレート材を垂直面および水平面に設置し、付着量を光学顕微鏡で観察した。またコンタクトプレートを圧着して移し替え、培養後のカビ・酵母等コロニー数を計数した。垂直面には1ヶ月程度の期間では、付着量・種類ともに材質間に有意差が認められなかった。水平面設置では、付着しにくい材質の方がコンタクトプレートへの移し替えがより定量的で、サンプリング手法として応用可能性があることがわかった。
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Research Products
(1 results)