2002 Fiscal Year Annual Research Report
まちづくりへの住民参加形態としての住民投票のあり方とドイツにおける実態の研究
Project/Area Number |
13650663
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
阿部 成治 福島大学, 教育学部, 教授 (50044566)
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Keywords | 住民参加 / 住民投票 / ドイツ / まちづくり |
Research Abstract |
昨年度のドイツ実地調査、および新聞社ホームページに掲載されたローカルニュース調査を通じ、ノルトライン・ヴェストファーレン州のデュイスブルク、およびバーデン・ヴュルテムベルク州のカールスルーエにおいて、これまでにない新しい性質を有し、住民参加の今後を考える上で示唆する点の多い住民投票の事例を発見できた。前者は触法精神障害者の治療処分施設という嫌悪施設建設をめぐるもので、公共性と広域的を考えた州の権限と、地元の利害が鋭く対立した。後者は、1996年に行われた住民投票の結果を受けて作成された案の実施が困難になったことを受け、投票結果から離れることに配慮し、ドイツでも初めてと言われる広範な住民参加が進められている。 そこで、今年度は、この2つの例に関してこれまでに集めた資料をまとめ、都市計画学会に発表する作業を進めた。同時に、この2例についてさらに資料を入手すると共に、ドイツの住民参加の実状を知るため、現地を訪問して調査を行った。とくにカールスルーエについては、住民投票を決定する市議会を傍聴することができ、有意義な調査となった。 デュイスブルクの治療処分施設建設への反対は、住民投票で結果を出すことができなかったが、ヘルネでは、市が州の施設建設決定に反対した結果、問題が法廷に持ち込まれると同時に、ノルトライン・ヴェストファーレン州初の州民発議が行われた。そこで、両市の違いを明らかにするため、ヘルネについても調査を進めているところである。 なお、これまでの研究成果を社会に公表し、還元する意味で、平成14年末に「ドイツまちづくりQ&A」と名づけたホームページに「住民投票について」という項目を新設した。現在のところは、5つの細目に関して解説を行っている。
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Research Products
(1 results)