2003 Fiscal Year Annual Research Report
まちづくりへの住民参加形態としての住民投票のあり方とドイツにおける実態の研究
Project/Area Number |
13650663
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Research Institution | FUKUSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 成治 福島大学, 教育学部, 教授 (50044566)
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Keywords | 住民参加 / 住民投票 / ドイツ / まちづくり |
Research Abstract |
本年度は研究最終年であり、これまで2年間の成果を基礎として次の2つの作業を進めると共に、この3年間の研究全体をまとめて研究成果報告書として公表する作業を行った。 (1)ドイツの住民投票制度は州によって異なる。そこで、都市州を除いたドイツの全13州について住民投票制度を定めた自治体法等を入手し、各州の制度とその変遷につき、互いに比較検討を行う。この作業の結果、自治体レベルの住民投票発祥の地であるバーデン・ヴュルテンベルク州の制度が基本となり、住民参加をさらに容易にする形で拡大してきた状況が明確となった。 (2)ノルトライン・ヴェストファーレン州のエッセンとミュルハイムで行われた住民請求・住民投票の事例について、資料をもとに詳細に検討を行う。問題とされたのは、エッセンではコンサートホール建設で、ミュルハイムでは図書館分館とプールの閉鎖である。経過の検討から、住民投票に至るまでに3つのハードルがあることと、各段階でどのような点が障害となるのかを具体的に明らかにすると同時に、妥協の可能性についても検討できた。 以上の作業に加え、昨年調査を行ったカールスルーエとデュイスブルクの事例についても、主にインターネットを通じて住民投票後の経過を調査した。また、わが国と比較する目的で、住民投票や署名活動が行われた事例について資料収集を行った。 以上の研究結果を、13、14年度に行った結果とあわせて検討することで、住民投票がドイツの住民参加において果たしている役割とその位置について考察し、研究成果報告書としてまとめることができた。
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Research Products
(2 results)