2001 Fiscal Year Annual Research Report
町並み保存地区における居住及び権利の特性と居住継続の可能性に関する研究
Project/Area Number |
13650678
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Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
間野 博 県立広島女子大学, 生活科学部, 教授 (60285418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 倫子 県立広島女子大学, 生活科学部, 助手 (00326422)
石丸 紀興 広島大学, 工学部, 教授 (20034366)
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Keywords | 町並み保存 / 居住継続 / 資産承継 / 居住地変容 |
Research Abstract |
(1)地区の類型化と典型地区の選定 全国の重伝建地区について、「居住」という観点から類型化するとともに、その中から典型的な過疎化進行地区を選定した。 伝建地区に指定される地区は、高度経済成長期に第2次市街化(更新)しなかった地区である。それは、(1)保存意識に基づき、波に抗って変化させなかった地区と、(2)波そのものが来ず、変化しなかった地区に大別される。(2)は、町並みは残っているが、老朽化し、人口は減少し、高齢化が進んでいるという、「居住地衰退」と裏腹である場合が多い。従って、過疎化問題を抱える伝建地区がかなりあり、今後の伝建地区政策の重要な課題となっていることが明らかとなった。 (2)典型地区における居住実態調査 典型地区における住宅の物的状況と住生活の実態を把握すると共に、伝建制度による制約条件を整理し、それが住宅の物的状況と住生活に与える影響を把握した。 伝建制度が建築物に効果を持つのは、建築物に変更を加えるときである。変更の必要がない、変更する力がない場合は何の効果もない。変更する場合に、「保存」と変更目的が同じ工事の中で共に実現すれば、伝建制度は有効で、何ら障害とならない。伝建制度が要求するのは基本的に外観であるから、実は、住宅内部に起因する住み難さにはほぼ無関係である。従って、個々の居住継続には伝建地区指定は大きな影響を与えないと言える。むしろ、町並み保全を住民のアイデンティティ確立の柱として、継承のシステムを構築することが必要である。
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Research Products
(1 results)