2002 Fiscal Year Annual Research Report
親子二世帯居住からみた隠居慣行の継承と変容に関する研究
Project/Area Number |
13650690
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Research Institution | KYUSHU SANGYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
船越 正啓 九州産業大学, 工学部, 助手 (70181435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上和田 茂 九州産業大学, 工学部, 教授 (70122596)
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Keywords | 隠居慣行 / 親子二世帯居住 / 親子の居住関係 / 親子の居住領域 / 隠居 / 同居 / 隣居 / 近居 |
Research Abstract |
今年度は調査対象を九州・瀬戸内地方から近畿地方に広げ、隠居慣行が存続する地区において、昨年度と同様に親子両世帯に対して聞き取りおよび家屋調査を行った。その結果、今回調査した2地区は親子の居住形態が「分棟」と「近居」に異なるものの、隠居慣行を色濃く継承している。昨年度、隠居慣行の継承と変容の度合いを軸にして、各地の隠居慣行の継承と変容の様相を4タイプに分類した。今回調査した2地区は「タイプI」と「タイプIV-2」に含まれる。 三重県阿児町国府地区:親夫婦は健在で、比較的若く、有職者が半数以上を占め、経済的な力もあり、分棟・別食・別計の隠居慣行を色濃く継承している(タイプI)。 三重県大王町船越地区:隠居慣行を色濃く継承しているが、親子の居住形態は他の地区と異なり、漁村集落特有の狭小敷地が影響しているとも考えられるが、かつての隠居分家を彷彿とさせる近居が隣居を上回り、過半数を占め、かつ増加の傾向にある(タイプIV-2)。 今年度と昨年度の調査より、親子の居住形態は分棟が約7割と最も多いものの、近居、同棟、続棟がそれぞれ1割みられる。また、居住形態の変化パターンは「同棟→近居」「同棟→分棟」「同棟→続棟」「続棟→近居」「分棟→続棟」「分棟→同棟」「近居→分棟」「近居→同棟」の8パターンと「一貫した同棟」「一貫した続棟」「一貫した分棟」「一貫した近居」の4パターンを合わせて合計12パターンと多岐にわたり、多様な展開を見せている。
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