2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650691
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
平根 孝光 筑波技術短期大学, 建築工学科, 教授 (90218793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜庭 晶子 筑波技術短期大学, 建築工学科, 助教授 (10215692)
大沼 直紀 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(聴覚障害系), 教授 (20169022)
萩田 秋雄 筑波技術短期大学, 建築工学科, 教授 (40111702)
佐々木 健 筑波技術短期大学, 鍼灸学科, 講師 (30320625)
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Keywords | 視覚障害者 / 空間認知 / 全盲 / 弱視 / 視野狭窄 / ルート情報 / 空間情報要素 / 既知空間エリア |
Research Abstract |
本研究は、晴眼者の視覚情報優位の環境・空間認知に対し、視覚情報を看取でき難い視覚障害者の環境・空間認知について、具体的な環境条件下における視覚障害者の行動と環境・空間との対応関係に関する基礎的知見を得ることを目的としたものであり、本年度は昨年度作成した調査マニュアルに基づく調査を行うとともに、認知状況を捉える手法の検討を行った。 調査は筑波技術短期大学視覚障害関係学科の学生で、全盲学生及び弱視・視野狭窄学生を対象に、大学キャンパス内の寄宿舎、校舎棟、図書館、診療所、大学会館、体育館等の主要諸室を結ぶルートを設定し、ポイントとなる空間での情報要素の聞き取りを含め、行動全体をビデオに撮るという方法で2ケ月の間隔を置いての調査を行った。これまでに得た知見としては、全盲学生では回数を追うごとに既知空間エリアの漸進的拡大、それにともないキャンパス内建物群の位置関係の認知度も上がる傾向がみられた。またその際、認知状況を捉える手法として、大学キャンパスの縮尺模型を使っての認知状況シミュレーション調査を加えたところ、模型による空間ヴォリウム情報は、実際の建物群の位置関係を掴むのに非常に役に立つと興味を示していたことから、高さを含めた空間ヴォリウム情報が、全盲学生にとってどのような情報として位置付けられるのかを含め、今後の継続調査で明らかにしていきたい。また、弱視・視野狭窄学生については、視力が低い、狭いという障害を持ってはいるものの、今回被験者は視覚情報を頼りに初回から支障なく全ルートを移動でき、模型を使ったシミュレーションでも視覚で容易に理解できていたことから、今後は視野狭窄・弱視者の中でも点字使用者に重点を置き研究を進めたいと考えている。
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